タウリンはアミノ酸の一種で、2-アミノエタンスルホン酸の別名があります。
魚介、貝類やいか、たこ、魚の血合いなどに多く含まれる成分で、牛、豚、鶏などの肉類には極少量しか含まれていません。
タウリンは体の各部分の機能を高めることによって、さまざまな病気や症状に対する抵抗力をつけるだけでなく、予防や改善にも役立ちます。
動脈硬化や糖尿病、心不全などの生活習慣病に対する効果が高いことで、ますます注目されています。
タウリンのはたらき
魚をたくさん食べる地域には高血圧や血管障害が少ないことはよく知られています。魚介には多価不飽和脂肪酸のEPA、DHAが含まれているので、その作用もありますが、タウリンの働きも見逃せません。タウリンには交感神経抑制作用があり、そのために食塩由来の高血圧が改善されることが明らかになっています。
高血圧によって引き起こされる脳卒中、心臓病、肝臓病などを予防する効果もあります。また、心臓から出て行く血液の量を増やし、心筋の収縮力を高めてうっ血性心不全を防ぐ働きもあり、心不全治療のための医薬としても使われています。
タウリンは肝臓で胆汁酸の分泌を促進する、肝細胞の再生を促進する、細胞膜を安定化させるなどの作用があることがわかっています。胆汁酸にはコレステロールを排泄させるはたらきがあるので、体内のコレステロールを減らし、コレステロールが原因となる胆石症を予防します。また、腸の蠕動運動を活発にして腸内細菌の異常繁殖を防ぐ働きも知られています。
タウリンのとりかた
タウリンは魚介類に多く含まれていますが、含有量のBEST5はサザエ、どこぶし、ホタテ貝、マグロの血合い、たこの順になっています。過剰症は特に発表されていませんので、摂り過ぎによる弊害の心配はあまりないといえます。
貝類やたこなどは、コレステロールが高いので、すでに高コレステロールと言われている人は注意しましょう。また、油脂を使わないように調理する、食物繊維が多く低カロリーのきのこ、海藻、こんにゃくなどの食品と組み合わせるなどひと工夫しましょう。