からだに存在するミネラルの中で、最も多いのがカルシウムです。
健康な骨と歯を作るほか、精神を安定させるなどの重要な生理作用を担っています。
過去20年間日本人の平均的摂取量は一度もカルシウムの所要量(600mg)を満たしたことがなく、最近でも93%の充足率です。
不足すると骨や歯がもろくなって、骨粗鬆症や骨軟化症にり、骨折を起こしやすくなります。
また、神経過敏になってイライラしやすくなります。
逆にとりすぎると、鉄分や亜鉛などのミネラルが吸収されにくくなり、泌尿器に結石が起こりやすくなります。
カルシウムの働き
成人の体内に、体重50kgに対して約1kgあるカルシウムのうち、約99%は骨や歯をつくっています。残りの1%は血液、筋肉、神経などに存在し、神経の興奮を鎮め、安定させるはたらきや、筋肉の収縮をスムーズにして、心臓の鼓動を規則的に保つ働きなどを担っています。
そのほか、血液を固めて出血を防ぐ、各種ホルモンの分泌にはたらく、鉄の代謝を助ける、白血球の食菌作用を助けるなどの作用もあります。
カルシウムの取り方
カルシウムは、乳製品や魚介類のほか、野菜や大豆製品にも多く含まれています。
タンパク質はカルシウムの吸収を高めるので、一緒にとると効果的ですが、摂り過ぎるとカルシウムが排泄される量も増えるので注意しましょう。
カルシウムは腸で吸収されて骨などに届けられますが、全て吸収されるわけではありません。
またカルシウムは食品によって吸収率が異なります。
牛乳や乳製品が約50%と高く、小魚は約30%、緑黄食野菜が約20%となっています。また60歳を過ぎると腸での吸収率が低下します。
牛乳の吸収率が高いのは、牛乳に含まれる乳糖、アルギニンといったアミノ酸、カゼインなどの吸収を促すためです。
小魚は内臓部分に含まれるビタミンDがカルシウムの吸収率を上げてくれます。
野菜からとるときは、カルシウムの吸収をよくするクエン酸を含む酢やレモンをあわせてとりましょう。