高齢者の高血圧

高齢者の高血圧は、元々持っていたものであり、高齢になってから高血圧になる人は極稀です。本態性項血圧が高血圧の9割を占めると言われていますが、そのほとんどが男性では30~40代、女性の場合、更年期に入る50代で高血圧になる人が多いと言われています。60代以降で初めて高血圧になる人はほとんどいないとまで言われています。

仮に、高齢になってから初めて高血圧になったという場合は、二次性高血圧である場合が多く、高血圧の原因を特定する必要があります。高齢者の高血圧の特徴として、下と呼ばれる最低血圧の数値に比べると、上と呼ばれる最高血圧が高いということが挙げられます。これは、血管の動脈硬化が進んでいるからだと受け取れます。

動脈硬化を起こしていると、血管内が狭くなっていて、血液がスムーズに流れなくなっています。その狭くなっている血管の中を勢いよく血液を流そうとするために、最大血圧が高くなってしまうのです。また、心機能の低下、血行不良、筋力がおちることにより、血圧も変化しやすくなっています。食事療法や生活習慣の改善で治療を行っていきますが、高齢者の場合はそれを行うのも困難な場合があります。

そのため、症状を見ながら血圧降下剤を使用することになるのですが、高齢者の場合は、血圧の薬の他にも様々な薬を服用していることも多く、血圧降下剤と一緒に飲んではいけない薬もありますので、現在どんな薬を服用しているのか、病院の診察を受けるときには必ず医師に伝えるようにしなければいけません。できればお薬手帳を常に持ち歩くようにしましょう。