高血圧の検査では、まず始めにスクリーニング検査を行います。スクリーニング検査とは、問診、診察、肥満の判定、尿検査、血圧検査、眼底検査、心電図検査、胸部X線検査の事で、これは誰にでも行われる検査です。これらの検査によって高血圧の種類と程度が調べられ、明らかに原因や合併症がない軽い高血圧と診断された場合は、食生活や日常生活の注意点の指導が行われます。しかし血圧がかなり高かったり合併症が疑われる場合には、さらに詳しい検査が行われます。
○ 問診 医師は患者さんから話を聞く事によって、本態性高血圧なのか、他の病気が原因で起こる二次性高血圧なのかを判断します。あらかじめ問診票に現病歴や既往歴、家族の病気についてなどを記入し、それを基に進められる事が多いようです。このほか、普段起こっている症状や始まった時期、症状が出やすい時間帯などをあらかじめまとめておくと、診断の際に情報の漏れが少なくなります。
○ 診察(血圧測定・聴診・打診・触診) 血圧は時間帯によって変動がありますが、基本的には病院で測定した値をもとに高血圧かどうかを判定します。聴診は聴診器を胸やお腹にあてて、心血管の雑音の有無や心音の変化などを聞きます。打診では指でトントンと胸をたたいて、心臓が大きくなっていないかなどを調べます。心臓の大きさは大抵レントゲンで判断をするので、打診はあまり行わなくなっています。触診は体を触って腎臓や肝臓の腫れ、腫瘍の有無、むくみがないかなどを調べます。高血圧によって腎機能が低下すると、脚のすねにむくみが出るようになります。
○ 肥満の判定(BMI) 肥満は高血圧を悪化させたり合併症を引き起こす最大の原因になります。そのため体重管理が高血圧治療にとって大切になってきます。肥満は大きく分けて皮下脂肪型肥満と内臓脂肪型肥満がありますが、心臓や血管の病気にとってリスクになるのは内臓脂肪型肥満です。肥満の程度を判定する簡単な指標として、身長と体重のバランスから判定するBMI(ボディ・マス・インデックス)があります。