カルシウムは体内に約1kgもあり、そのほとんどは骨や歯に含まれており、残りのわずかな量は血液や神経に含まれています。
カルシウムの働きは、骨や歯を形成し、神経を鎮め、血液が固まる機能を調え、神経の機能を高め、心臓や全身の筋肉が収縮するのを助けます。
高血圧に関連してカルシウムが不足すると、不足するカルシウムが骨から溶け出て、そのカルシウムが血管にたまって動脈硬化が進行します。骨から溶け出たカルシウムは血管の細胞に侵入し、血管を収縮させて血圧を上昇させます。
医療機関では骨からカルシウムが溶け出すのを妨げるカルシウム拮抗剤という薬が処方されることもありますが、これはあくまで非常手段で、カルシウム不足が起こらないようにして、骨からカルシウムが溶け出すことを防止するのが基本です。
カルシウムの1日の必要量は600mgですが、日本人はカルシウム不足の人が多いというのが通説です。このとき塩分を摂りすぎていると、ナトリウムを排出するときにカルシウムも一緒に排出されるので、カルシウム不足は一層深刻になります。
高血圧の人はカルシウムが不足しやすいので、カルシウムの摂取量には注意する必要があります。
カルシウムを効率よく摂取するには、牛乳、ヨーグルト、チーズなどの乳製品がカルシウムの吸収率がよいのでお勧めです。高血圧の人は乳製品を主に小魚、海草類を組み合わせて1日の必要量より少し多めのカルシウムを摂取するように努めましょう。