眼底に、たんぱく尿性網膜炎が見られる場合、つまり、眼底所見の第4度高血圧を悪性高血圧症といいます。本態性高血圧症の一種ですが、急性進行型の高血圧で、腎機能が急速に低下するのが特徴です。
その予後は悪く、昔は1年か長くても2年で多くは死亡しました。現在では降圧剤療法によって第2度高血圧症程度に転化させられるようになり、予後は大変よくなりました。
年齢は、15~55歳までの比較的若い人で、最低血圧が120ミリを超えると悪性化することが多く、また、良性高血圧症の経過途中から悪性化することもあります。しかし、全体の高血圧症の1%未満しかなく実際に見ることはきわめてまれのようです。