高血圧を放置しておくと、動脈硬化が進んで心臓への血流が阻害されます。
この状態では心臓の筋肉、すなわち心筋に酸素や栄養が足りなくなって狭心症のリスクが高くなります。狭心症を発症すると、胸を締め付けられるような胸苦しさ、激しい胸痛などの発作が起こります。
発作は1分~5分続くことが多く、最長30分程度の発作が継続することもあります。狭心症は高血圧が原因の病気ですから、高血圧の予防が一番大切です。
高血圧によってもたらされる心臓病には、狭心症、心筋梗塞、心肥大、心不全などがあり、狭心症と心筋梗塞が虚血性心疾患の代表的病態となります。
狭心症と心筋梗塞の違いは、一時的な心臓への血液不足か、長時間の血液不足か、という点です。狭心症では心臓への血液が一時的に不足して心筋の働きが低下しますが、心筋細胞は血液不足の解消で回復します。
心筋梗塞では心臓への血流が長時間にわたって途絶えることで心筋細胞が壊死してしまい、回復することは期待できません。
狭心症は大きく分けて労作性狭心症と安静時狭心症に二分されます。まず、労作性狭心症は体を動かしているときに発作が起こることが特徴です。
高血圧により動脈硬化や冠動脈の狭窄がある状態で、運動などで心臓が酸素不足になったときに発作を起するのが労作性狭心症です。
安静時狭心症は、就寝中など静かにしているときに発作がおきます。安静時狭心症は冠動脈の痙攣によって発症しますが、夜間から早朝に発作を起すのが特徴です。
いずれの狭心症でも発作薬としてニトログリセリンがよく知られており、狭心症の発作にはニトログリセンリンが即効的な効果があります。