高血圧って何?

血圧とは、心臓が血液を全身に送り出す際の圧力のことです。この圧力が基準値以上の状態が続く状態を高血圧といい、これが一般に言われる高血圧のことです。

高血圧の自覚症状としては、頭痛、めまい、肩こり、むくみ、動悸などが上げられます。しかしこれは他の原因によるものとの区別がつけにくく、一概に高血圧による症状とは言えません。むしろ、自覚症状がなく、知らないうちに高血圧が進行し、気づいたときには心筋梗塞や腎不全などの合併症を起こしてしまうことがあります。

高血圧の怖さは、こうした合併症を起こしてしまうことにあります。



どうして血圧は上昇する?

 血圧とは血液が血管壁に与える圧力の事ですが、血圧は主に心拍出量(心臓が1分間に送り出す血液量)と、末梢血管の抵抗によって決まります。

 心臓が拍出量を増やそうとすると強い力で血液を押し出すため、血管にも強い圧力がかかります。また血管の流れがよくない場合も、心臓は血液をスムーズに流そうと強い力で押し出すため、血圧を上昇させてしまう事になります。

 血管の流れが悪くなる原因として血管の弾力性と内腔の広さが関係しています。血管が動脈硬化で弾力をなくしたり、脂肪分が内壁に付着し内腔が狭くなると心臓に負担がかかるため、結果として血圧を上げる結果となります。

 また血液がドロドロして粘度が上がったり、循環する血液量が増える事も血圧を上げる原因のひとつとなります。


血圧はいつも変動している

 血圧はいつも一定ではなく、色々な条件で変動しています。一般的に日中に行動している時は血圧が高くなりがちで、急いで走ったりするとそれに応じて血液をたくさん運ぶために血圧は上昇します。

 逆に睡眠中は運動量が少ないので血液の流れも穏やかになり、血圧も昼間に比べて低くなります。高血圧の人は1日の血圧の変動が大きくなる傾向があります。

 また、健康状態や精神状態によっても血圧は大きく変動するほか、男女とも年齢とともに上昇していく傾向にあります。

 これは主に加齢とともに血管の弾力が失われ、硬くなってくるために起こります。血管の硬化は20歳代で起こり始めていると考えられており、この事からも日頃から血圧や血管の健康状態に気をつけなければならない事がわかります。



血圧を調節している神経

 私たちの体は、運動などで全身が血液をたくさん必要とする時には自動的に心拍数が上がって心拍出量を増やし、睡眠時などのように血液量が少なくてもいい時には心拍数が下がるようになっています。このような心臓の変化は交感神経などの神経によって管理されています。

 神経は血管の収縮や拡張も管理しており、交感神経が緊張すると心拍出量が増加し末梢血管は縮小する事で血圧を上げます。逆に交感神経が弛緩すると逆の事が起こり、血圧は下がるようになります。このように交感神経は血圧の調整に深く関わっているのです。

 この交感神経をコントロールしているのが脳の視床下部や延髄ですが、中でも中心的な役割を果たしているのが延髄にある血管運動中枢です。

 この血管運動中枢には血管からも血圧の情報が伝えられており、それに応じて血圧を上げたり下げたりする指令を心臓や血管に出しているのです。



病院では血圧が高めに出る(白衣高血圧)

 病院に外来で訪れた場合、病院で測定した血圧を基に治療方針が考えられ、薬が処方されます。従って病院で測定する血圧が患者さんの日常の血圧を表していないと意味がありません。

 しかし中には、病院で血圧を測定してみると家で測った血圧よりも最高血圧で40mmHg以上、最低血圧で20mmHg以上高くなる人が20~30%ほどいるという事が昔から知られています。
 
 このように病院だけで高血圧になる事を「白衣高血圧」と呼んでいます。

 これは白衣を着た医師や看護師を前にして緊張し、血管が収縮する事で血圧が一時的に上がるためだと考えられています。

 白衣高血圧だからといって特別な治療が必要な事はありませんが、白衣高血圧の10%ほどの人が持続性の高血圧になっているという調査結果があり、白衣高血圧になる人は持続性高血圧への前段階である可能性があります。

 白衣高血圧の経験のある方は日頃から血圧管理に気を配るようにするとよいでしょう。


正常血圧と高血圧の基準値は?

            血圧の基準値

  正常血圧と高血圧の基準値は?
 正常血圧は人種によって多少異なりますが、血圧の基準として世界的に採用されているのはWHO(世界保健機構)と米国高血圧合同委員会の分類です。日本でも日本高血圧学会で「高血圧治療ガイドライン」を作成し、2000年に発表しています。

 それによると正常血圧は収縮期血圧が130mmHg未満かつ拡張期血圧が85mmHg未満とされています。

 しかし2003年に米国で発表された勧告では正常血圧は120Hg/80mmHg未満とされ、120~139mmHg/80~89mmHgは高血圧前症とされています。

 WHOの分類も米国の分類も改訂のたびに血圧の基準が低くなってきており、世界的に血圧の管理をより厳しくしようとする傾向にあるようです。

分類       収縮期血圧   拡張期血圧
至適血圧      <120  かつ  <80
正常血圧      <130   かつ <85
正常高値血圧   130~139 または 85~89
軽症高血圧    140~159 または 90~99
中等症高血圧   160~179 または 100~109
重症高血圧    ≧180   または ≧110
収縮期高血圧   ≧140   かつ <90




高血圧を重症度によって分類する

 高血圧はその収縮期血圧と拡張期血圧から重症度の分類が行われています。

 分類は3段階に分けられており、軽症高血圧(収縮期血圧140~159mmHg、拡張期血圧90~99mmHg)、中等症高血圧(収縮期血圧160~179mmHg、拡張期血圧100~109mmHg)、重症高血圧(収縮期血圧180mmHg以上、拡張期血圧110mmHg以上)となっています。

 重症高血圧の場合は、臨床状態によりただちに治療を開始する事になります。




臓器障害で高血圧を評価する

 高血圧は脳卒中や心筋梗塞、腎不全、眼底出血などの重篤な病気の最も大きな危険因子ですが、そのほかの危険因子も重なる事でさらに臓器障害が起こりやすくなります。

 そのため、高血圧以外の危険因子や現在抱えている高血圧性臓器障害の有無などから、重症度を評価する方法が提唱されており、以下のように分類されています。

 リスクについては10年間に脳卒中あるいは心筋梗塞を発症する危険性が15%未満を低リスク、15~20%を中等リスク、20%以上を高リスクとしています。

 高血圧以外の危険因子がなくても重症高血圧であれば高リスク群に入ります。また糖尿病を伴う場合は、はっきりとした臓器障害が認められなくても高リスク群に当てはまり、積極的かつ厳重な血圧の管理と治療が必要となってきます。

 糖尿病以外の危険因子がある場合は、中等リスク群か高リスク群になります。


高血圧の90%以上が原因不明

 高血圧は、原因により「一次性高血圧」と「二次性高血圧」に分類されます。

 「一次性高血圧」は、「本態性高血圧」と呼ばれ、特に異常がないのに血圧が高くなり、原因も特定できません。ただし、原因となる危険因子は明らかにされています。食塩の採りすぎ、加齢による血管の老化、ストレス、過労、運動不足、肥満、そして遺伝的要因などが危険因子として挙げられています

 。一方、「二次性高血圧」は、腎臓病やホルモン異常など、原因となる病気があるものを言います。こちらは、原因となる病気が治癒することで、高血圧も改善されます。



塩分と高血圧の関係

 高血圧予防の代表的なものが、塩分摂取を抑えることです。では、なぜ塩分の過剰な摂取が問題なのでしょうか? 簡単に言うと、塩分(ナトリウム)をとりすぎると、血液中の塩分濃度が上がります。

 濃度が上がると細胞組織の活動が低下してしまうため、水分で薄める作用が働きます。

 そのため、腎臓が水分を血液中に送り出し、その結果、血液の全体量が増大し、血圧が上昇するのです。


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高血圧を放置すると

 高血圧は、自覚症状が出たときには、すでに生死に関わる病気が進行していたということがよくあります。こうした怖さから、高血圧はサイレントキラー(沈黙の殺人者)とも呼ばれているのです。


 自覚症状がないまま、突然合併症が発症することも
 健康診断などで、血圧が高いといわれ、再検査が必要なのに放置してしまったら・・・。はじめは自覚症状がないため、放置してしまう人が多いのです。

 たとえば亡くなる直前まで元気だったのに、高血圧が原因の脳出血により突然死、などという例がたくさんあります。

 決してサイレントキラー(沈黙の殺人者)という異名は大げさではありません。たとえ自覚症状がなくても、早めに専門医に診てもらうことが大切です。


 高血圧患者は推定で4,000万人以上と、まさに「国民病

 日本人の死亡原因の1位はガン、2位が心臓病、そして3位は脳卒中です。

 このうち心臓病と脳卒中は、いずれも血管に障害の起こる病気で、高血圧がもっとも重要な危険因子といわれています。この2つを合わせた死亡者数は全体の1/3を占め、ガンを抜いて一位となります。

 日本の高血圧患者は推定で 4,000万人以上と最も患者数が多い病気と言われ、まさに国民病と言えるでしょう。


  主な死因別に見た死亡率の年次推移

   」
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高血圧になりやすい、日本人の食生活

 他の国と比較して、高すぎる日本人の塩分摂取量
 高血圧になる原因の一つとして上げられる、過剰な塩分摂取。日本人は、国際的に見ても非常に高い量を摂取しています。

 一日あたりの摂取量は、ヨーロッパで 5~6g、多いと言われるアメリカでも8~10g。これに対して日本は11~13gとなっています。

 味噌や醤油など伝統的な調味料、漬け物など塩分が高い保存食が、原因の一つとして考えられていますが、最近では加工食品や外食の塩分の高さにも注意が必要です。

 適切な塩分量として、厚生労働省では1日10g未満を目標に掲げています。一方、WHO(世界保健機関)ではその約半分の6g未満を推奨しています。

 日本高血圧学会でも高血圧のある場合は6g未満を推奨しています。


   日本人の塩分摂取量の推移

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高齢者の高血圧

高齢者の高血圧は、元々持っていたものであり、高齢になってから高血圧になる人は極稀です。本態性項血圧が高血圧の9割を占めると言われていますが、そのほとんどが男性では30~40代、女性の場合、更年期に入る50代で高血圧になる人が多いと言われています。60代以降で初めて高血圧になる人はほとんどいないとまで言われています。

仮に、高齢になってから初めて高血圧になったという場合は、二次性高血圧である場合が多く、高血圧の原因を特定する必要があります。高齢者の高血圧の特徴として、下と呼ばれる最低血圧の数値に比べると、上と呼ばれる最高血圧が高いということが挙げられます。これは、血管の動脈硬化が進んでいるからだと受け取れます。

動脈硬化を起こしていると、血管内が狭くなっていて、血液がスムーズに流れなくなっています。その狭くなっている血管の中を勢いよく血液を流そうとするために、最大血圧が高くなってしまうのです。また、心機能の低下、血行不良、筋力がおちることにより、血圧も変化しやすくなっています。食事療法や生活習慣の改善で治療を行っていきますが、高齢者の場合はそれを行うのも困難な場合があります。

そのため、症状を見ながら血圧降下剤を使用することになるのですが、高齢者の場合は、血圧の薬の他にも様々な薬を服用していることも多く、血圧降下剤と一緒に飲んではいけない薬もありますので、現在どんな薬を服用しているのか、病院の診察を受けるときには必ず医師に伝えるようにしなければいけません。できればお薬手帳を常に持ち歩くようにしましょう。


正しい血圧の測り方

 現在多くの家庭に血圧計があり、使いやすいものもたくさん販売されています。定期健康診断だけでなく、家庭でも体重計で体重を測るように血圧を測る習慣をつけて、高血圧の早期発見・早期治療につなげるようにしましょう。


 血圧の測定は静かな場所に座って安静にした状態で測定します。測定する時の状況がその時によって違っていると血圧もその状況による変化の影響を受けてしまい、日毎の血圧が比較が難しくなります。血圧の測定はなるべく同じ時間帯に測定するようにしましょう。

 一般的には朝起きて少ししてからか、夕食後から寝る前など、継続して測定できる時間帯に1日1~2回測定するのがよいでしょう。降圧薬を服用している人はこれに加えて午前中に測定すると、飲んでいる薬の効果が確認できるため、今後の治療方針を決める際の大切な情報源となります。


 血圧を正しく測定するポイント

○ 測定前は最低5分間安静にしておく測定前にはトイレをすませておく
○ 食事、運動、喫煙の後や、興奮したり寒い所にいた後は30分以上あける
○ 初めて測定する場合は左右両方の腕で測り、次回からは高い値の出た腕で測るようにする




本態性高血圧とは

 高血圧の原因は色々ありますが、そのうち90%くらいは原因がはっきりとわからず、本態性高血圧と呼ばれています。本態性高血圧の原因は1つではなく、様々な要因が関わりあって起こっていると考えられています。


遺伝的要因 本態性高血圧の最も大きな要因として、遺伝によるものが考えられています。高血圧になる人の家族や親族の中には同じように高血圧の人がいる事が多く、遺伝子が関係しているとされています。

加齢による血管老化の要因 人間の血管は年齢とともに老化し、個人差はありますが動脈硬化を起こしていきます。これがスムーズな血流を妨げて、血圧を上昇させる原因として考えられています。

環境的要因 食事からの塩分の摂りすぎやタバコ、お酒、ストレスなど、生活習慣に起因する要因も考えられます。これらの要因は生活習慣を改善する事で取り除く事が可能ですが、改善する事が難しい習慣がある事も事実です。



二次性高血圧とは

 高血圧のうち90%が原因のわからない本態性高血圧ですが、残り10%の原因がわかっているものを二次性高血圧といいます。二次性高血圧は主に4種類あります。

 1つは腎臓に異常があるために起こる腎性高血圧、2つ目は腎臓の血管に異常があるために起こる腎血管性高血圧、3つ目はホルモンの異常で起こる内分泌性高血圧、4つ目は大動脈や大動脈弁に異常があるために起こる大血管疾患による高血圧です。

 これら二次性高血圧は早めに診断し、原因を取り除くか薬を服用する事で血圧を正常にする事が可能になります。

 二次性高血圧の主なものとして、以下のものがあります。

  ≫ 腎性高血圧・腎血管性高血圧
  ≫ 内分泌性高血圧
      ・・・原発性アルドステロン症
      ・・・クッシング症候群
      ・・・褐色細胞腫
  ≫ 大血管疾患による高血圧
  ≫ 漢方薬の副作用による高血圧



女性の高血圧

 女性は一般的に男性よりも血圧が低く、あまり高血圧が問題になる事はありません。それは女性ホルモンに血管の収縮や老化を防いだり、水分やナトリウムの排泄を促す作用があるからです。

 しかし更年期以降は女性ホルモンの分泌が大幅に減少するため、高血圧に対しては男性と同様に注意しなければなりません。

 女性の場合、最も血圧に注意をしなければならないのが妊娠中です。

 妊娠中はホルモンバランスが変わりやすく肥満にもなりやすいため、血圧が上がりやすくなります。

 妊娠中の高血圧はWHOのガイドラインによると、最高血圧が140mmHg以上、最低血圧が90mmHg以上、あるいは妊娠前か初期と比較して最高血圧が+25mmHg以上、または最低血圧が+15mmHg以上であれば妊娠性高血圧とされています。

 高血圧が進むと妊娠中毒症になりやすくなるため、太り過ぎないようにしなければなりません。

 最終的な体重増加は標準体重の人で8kg以内、多くても10kg以内にとどめるようにしましょう。

 また妊娠中の減塩や適度な食事量を守る事も大切です。

 妊娠中の高血圧が進むと降圧薬を使用しなければならなくなりますが、胎児への安全性を考慮して使用できる薬も限られてきます。

 使用可能な薬でも妊娠中は慎重に使わなければなりませんので

高血圧診断に必要な検査と進め方

 高血圧の検査は、2段階に分けて行われます

 高血圧の検査では、はじめにスクリーニング検査と呼ばれる一般的な検査が行われます。

 その内容は、問診、血圧測定などの診察、肥満の判定、尿検査、血液検査、眼底検査、心電図検査、胸部X線検査です。

 ここで症状が軽く、合併症などがないことが確認されれば、生活習慣の修正の指導が行われます。

 しかしスクリーニング検査で血圧が高かったり、合併症の疑いがあったりする場合には、その内容に応じてさらに詳しい検査(精密検査)が行われます。

 検査の目的は、高血圧が原因不明の本態性(一次性)なのか、他の病気が原因による二次性なのかを判別することです。二次性の疑いがある場合には、その原因となっている病気を調べ、治療します。

 本態性(一次性)の場合には、高血圧の進行度合いと合併症の有無などを調べ、症状にあった治療計画を立案します。


スクリーニング検査の結果に応じて行われる特別検査

 スクリーニング検査で合併症等の疑いがある場合には、症状に応じた精密検査が行われます。

 主な精密検査には、臓器の断層面を調べる「X線CT検査」、「MRI・MRA検査」、超音波を当てて調べる「超音波検査」などがあります。


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高血圧の検査 問診~肥満の判定

   問診・診察
 問診とは、医師が症状などをヒアリングすることです。問診に当たっての質問は、自分や家族の病歴、既往症の有無、食事やたばこ・アルコール、運動などの生活習慣や生活環境についてです。

 高血圧は、生活習慣や遺伝が関与していますので、できるだけ正確に答えるようにしましょう。診察では、血圧の測定や聴診や触診をします。


   肥満の判定
 高血圧に限らず、肥満はあらゆる病気にとって好ましいことではありません。肥満と一言で言っても、「皮下脂肪型肥満」と「内臓脂肪型肥満」に分類されます。

 皮下脂肪型はおしりや大腿部に脂肪が溜まるため、「洋梨型肥満」、内臓脂肪型はおなかに脂肪が溜まるため、「リンゴ型肥満」とも呼ばれています。心臓や血管の病気と関係が深いのは「内臓脂肪型肥満」です。

 肥満のタイプは、ウエスト(cm)を測定し、男性85cm、女性90cm以上は内臓脂肪型肥満が強くうたがわれます。肥満の程度を判定する指標としては、BMI(ボディ・マス・インデックス)が利用されます。体重を身長の2乗で割った数値で、25以上が肥満とされています。


           BMI(ボディ・マス・インデックス)

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高血圧検査の種類

 心臓の状態を検査する「心電図検査」
 高血圧で心臓に異常がある場合は、心電図によって検査を行います。心臓に異常がある場合には、心電図の波形に変化が生じます。心肥大の有無、狭心症や心筋梗塞についてなど、心臓について情報を得ることができます。


 網膜の血管から高血圧の進行度を測る「眼底検査」
 眼底検査は、外部から肉眼で血管を観察できる方法であり、高血圧になると、目の網膜(眼底)の血管に異常が起こりやすくなります。従って、眼底検査を行うことで、高血圧の進行度合いを調べることができます。動脈硬化が原因で起こる出血や血栓、網膜組織の斑点やむくみなどを観察し、症状を分析します。


 心臓や大動脈の状態を検査する「胸部X線検査」
 胸部X線(レントゲン)検査は、心臓、動脈、肺などの状態を調べる検査です。高血圧による、心臓への影響、動脈硬化の状態などの情報を得ることができます。



高血圧治療の目的

 治療の目的は、血圧を管理して、合併症を未然に防ぐことです
 高血圧の治療に当たっては、血圧を正常な値にコントロールすることで、合併症を未然に防ぐことが重要になります。

 そのためには、危険因子の有無をチェックしながら治療をすすめていく必要があります。すなわち、臓器障害と心血管病の危険因子があるかどうかがポイントになります。

 臓器障害では、心臓、脳、腎臓、血管の障害、眼底異常所見の有無が、心血管病の危険因子としては糖尿病、喫煙、高齢などが上げられます。現在の血圧の高さと、これらの臓器障害と危険因子の有無によって、リスクを判断することができます。


 進行の度合いに応じて、段階的に治療をすすめます
 初診時に血圧が高い場合、日を変えて再度血圧検査を行います。並行して血圧のレベル、臓器障害、合併症の危険因子を確認し、心血管リスクを総合的に判断します。

 初診時の血圧が140~159/90~99mmHgで、他の臓器障害や合併症が見られない患者を低リスク患者と分類します。

 この場合は、生活習慣の修正を行い、3ヶ月以内に血圧を再測定します。この間に血圧が正常値にもどることもありますが、140/90mmHg未満に下がらない場合は、3ヶ月後に降圧薬を開始します。

 初診時の血圧が160/100mmHg以上の場合(中等リスク)、1ヶ月後に血圧が下がらない場合は降圧薬を開始。180/110mmHg以上の重症高血圧の場合(高リスク)は、直ちに降圧薬を開始します。


         初診時の高血圧管理計画


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高血圧治療の進め方

 生活習慣の修正と薬物療法が、高血圧治療の2本柱です
 高血圧の治療は、症状に応じて治療計画を立ててすすめていきます。治療方法は、生活習慣の修正と、薬物療法を組み合わせて行います。

 生活習慣の修正とは、高血圧の原因となる肥満、塩分の採り過ぎ、運動不足などの生活習慣を見直すことで、高血圧の症状を進行させないためのものです。

 こうした生活習慣の修正だけでは改善しない場合に、薬物療法を併用していくことになります。

 薬物療法とは、降圧薬によって血圧を下げることで、合併症や臓器障害を防ぐ方法です。これらをどう組み合わせてすすめて行くかは、医師と相談した上で決定することになります。


 無理のない生活習慣の修正が、治療成功のコツです
 とにかく病気は治せばいいという考え方から、治療も含め、どのような生活を過ごすのかということが、最近は重要視されるようになってきました。

 生活習慣の修正にしても、薬物治療にしても、いずれも息が長く、場合によっては一生つきあうことになるものです。

 無理な治療プランを立て挫折したり、生活の質が犠牲にされたりするようでは、心身共に良い結果は得られません。医師と相談して、実現できる治療プランを立てることが大切です。



      高血圧の治療の流れ

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合併症のある人の高血圧治療方法

 「脳血管障害」は、発作を繰り返さないように注意する降圧薬を用いて降圧目標血圧を維持するように治療し、脳出血や脳梗塞などの発作を繰り返さないことが第一の目的となります。


 「心臓病」は、血圧のコントロールで発作を予防する高血圧に心臓病が合併する事例は非常に多く、特に狭心症や心筋梗塞が合併する場合は、非常に危険です。血圧をコントロールすることが大切になります。


 「腎臓病」は因果関係をはっきりさせて、治療する高血圧と腎臓病が合併している場合、高血圧が原因の腎臓病と、腎臓病が原因の高血圧があります。いずれの場合も高血圧を治療することが大切です。


 「糖尿病」は、降圧薬とのかねあいに注意して治療する高血圧と糖尿病が合併した場合には、動脈硬化が促進され、脳卒中や心筋梗塞が起こりやすくなります。治療の際は、糖尿病の治療薬と高血圧の降圧薬との相互作用に注意を払いながら、慎重に治療がすすめられます。



高齢者の高血圧治療方法

 高齢者特有の症状に注意が必要です
 通常、年をとると、血圧は上がっていく傾向にあります。また、動脈硬化が進むことで、拡張期血圧は低くなり収縮期血圧が高くなる傾向があり、血圧の変動も大きくなります。

 そのほかにも、急に立ち上がったり、長い間立っていたりすると、血圧が下がって脳への血流が不足して、立ちくらみを起こしたり、脳や心臓など、臓器障害や合併症を起こす確率も高いなど、高齢者の場合は注意深く治療をすすめる必要があります。

  また、複数の病院から治療薬をもらっている際には、薬の中には降圧薬の作用を弱めてしまうものもあるので、処方の際に、医師にきちんと情報を伝えることが重要です。


 生活の質を下げない治療計画を立てましょう
 生活習慣の修正が必要でも、特にお年寄りの場合、長年の生活習慣を変えることは容易ではありません。

 そのことで日々の生活がつまらないものになってしまうのであれば、無理のない範囲で生活習慣の修正を取り入れ、早めに降圧薬を使用するなどの選択肢も考えられます。

 どこまで血圧を下げ、どういう治療をし、どんな生活を過ごしたいのか。治療方針を、医師とよく相談して決めるようにしましょう。



二次性高血圧の種類

腎臓障害による高血圧
○ 腎性高血圧 腎性高血圧は二次性高血圧の中で最も多い高血圧で、主に腎炎と腎盂腎炎を原因として起こります。腎炎は糸球体と呼ばれる尿を作り出す部分が炎症を起こし、尿をつくる機能が低下してしまう病気です。腎炎には急性のものと慢性のものがあります。

 急性腎炎は溶連菌感染症の後で起こる事が多く、症状としてはむくみや尿量の低下、タンパク尿、高血圧などがあります。慢性腎炎はタンパク尿や血尿などが現れ、血圧は最初のうちは高くありませんが、進行するに従って上昇していきます。食事療法や利尿薬などで治療しますが、腎不全に進行して人工透析が必要になる事もあります。腎盂腎炎でも腎機能が低下した時に血圧が上昇する事がありますが、薬物療法などで治療する事が可能です。


○ 腎血管性高血圧 腎血管性高血圧は二次性高血圧の中で2番目に多い高血圧です。腎動脈の動脈硬化や筋線維などが増殖して腎臓にいく血管が狭くなる事で、血圧が低くなったと腎臓が認識する事で血圧を上げたり血液量を増やすホルモンを多量に出すようになります。これによって高血圧になってしまうのです。治療としては、血管の狭くなった部分をカテーテルで広げたり、バイパス血管を移植する事で行われます。


腎臓障害による高血圧

腎性高血圧
 腎性高血圧は二次性高血圧の中で最も多い高血圧で、主に腎炎と腎盂腎炎を原因として起こります。腎炎は糸球体と呼ばれる尿を作り出す部分が炎症を起こし、尿をつくる機能が低下してしまう病気です。腎炎には急性のものと慢性のものがあります。

 急性腎炎は溶連菌感染症の後で起こる事が多く、症状としてはむくみや尿量の低下、タンパク尿、高血圧などがあります。慢性腎炎はタンパク尿や血尿などが現れ、血圧は最初のうちは高くありませんが、進行するに従って上昇していきます。

食事療法や利尿薬などで治療しますが、腎不全に進行して人工透析が必要になる事もあります。腎盂腎炎でも腎機能が低下した時に血圧が上昇する事がありますが、薬物療法などで治療する事が可能です。


腎血管性高血圧
 腎血管性高血圧は二次性高血圧の中で2番目に多い高血圧です。腎動脈の動脈硬化や筋線維などが増殖して腎臓にいく血管が狭くなる事で、血圧が低くなったと腎臓が認識する事で血圧を上げたり血液量を増やすホルモンを多量に出すようになります。

これによって高血圧になってしまうのです。治療としては、血管の狭くなった部分をカテーテルで広げたり、バイパス血管を移植する事で行われます。


二次性高血圧の種類 内分泌性高血圧

○ 原発性アルドステロン症 原発性アルドステロン症とは副腎と呼ばれる腎臓の上にある臓器に腫瘍ができる事で起こる病気です。副腎に腫瘍ができるとそこからアルドステロンと呼ばれるホルモンが過剰に分泌されます。

 アルドステロンは腎臓に作用して塩分を再吸収しカリウムを尿に排泄する働きがあるため、アルドステロンが大量に分泌されると体内の塩分が増加し、カリウムが不足してしまいます。その結果血圧は上昇し、カリウムが不足することで手足のだるさや筋力の低下、頻尿、多尿、喉の渇きなどの症状が現れるようになります。治療としては、手術で腫瘍を取り除きます。最近では内視鏡的な手術も行われるようになってきており、大きな傷跡を残さずに行うことが可能になっています。


○ クッシング症候群 クッシング症候群は原発性アルドステロン症と同じく、副腎の腫瘍によって起こる病気です。この腫瘍からコルチゾールというホルモンが過剰に分泌されることで起こります。コルチゾールはアルドステロンと同じような作用をもっているので、過剰に分泌される事で体内の塩分量が増加し血圧が高くなります。さらに肥満傾向になるのもクッシング症候群の特徴です。

 初期のうちは肥満に伴う高血圧と診断されがちですが、徐々に顔に丸みが帯びてきて、皮膚が薄めになり赤みを帯びるようになります。また手足はほっそりしていても胸やお腹に脂肪がつくようになり、全身の毛が濃くなるようになります。この病気は放置すると、高血圧による臓器障害だけでなく、他の大きな病気を引き起こす可能性もあるので、しっかりと治療する事が大切です。


○ 褐色細胞腫 褐色細胞腫は原発性アルドステロン症と同じく、副腎の腫瘍によって起こる病気です。この腫瘍からカテコールアミンという物質が過剰に分泌されることで血圧上昇などが起こります。症状としては突然に起こる高血圧や頭痛、動悸、発汗、胸の苦しさなど、発作のように現れるのが特徴です。発作が起きるきっかけは、体を急に動かしたり、強い運動をしたり、精神的に動揺したりなど色々ありますが、特にきっかけがなく起こる事もあります。

 褐色細胞腫の検査は、血液や尿中のカテコールアミンやその代謝産物を測定します。副腎の腫瘍によるものが多いのですが、副腎に腫瘍が見つからない場合もあります。症状が出る事には腫瘍が大きくなっている事が多く、超音波検査やCTなどで見つける事ができるようになります。腫瘍が1個であれば内視鏡的な手術で取り除く事も可能です。


二次性高血圧の種類 大血管疾患による高血圧

 心臓や大きな血管の障害によっても高血圧は起こります。

 その1つに生まれつき大動脈の一部が細くなっている大動脈縮窄症があります。大動脈には全身に血液を送るために強い血圧がかかりますが、大動脈の一部が細くなっているために末端部の血圧が低くなり、特に足などで血行不良が起こります。

 逆に腕の血圧は高くなり、結果として血圧が高くなる傾向にあります。この病気はほとんどの場合子供の頃にわかり、手術などで治療が行われます。

 また、心臓内部にあり血液の逆流を防ぐ大動脈弁に異常があっても高血圧は起こります。
 
 これは大動脈弁が完全に閉まらないことで動脈血が逆流し、そのため心臓が余分に血液を送ろうとするために起こります。この病気を大動脈弁閉鎖不全症といいます。

 大動脈弁閉鎖不全症はリウマチ性の心内膜炎や梅毒、大動脈炎症候群なども原因となりますが、多くの場合は老化による動脈硬化が原因となって起こります。

 従ってこの病気は高齢者の方によくみられます。治療としては強心薬や利尿薬などの薬物療法や、悪くなった大動脈弁を人工弁に置き換える手術が行われます。



二次性高血圧の種類 漢方薬の副作用による高血圧

 健康によいという事で普段から漢方薬を飲んでいる人や、病気の治療薬として漢方薬が処方されている人がいますが、そのような人達の中で血圧が上昇し、手足がしびれたり力が入らなくなるなどの筋肉症状や、頻尿、喉の渇きなどの症状が出たら、漢方薬の副作用が疑われます。漢方薬の成分には色々ありますが、その中で「甘草」という成分が多く含まれていればそれが原因と考えられます。

 腎臓には体内の余分な塩分を排泄する働きと、必要に応じて再吸収する働きがあり、それをホルモンによって調節しています。

 甘草にはグリチルリチン酸という物質が含まれており、これがホルモン量の調節を妨げてしまいます。すると腎臓からの塩分の再吸収量が増加し、高血圧を引き起こしてしまうというわけです。薬を中止すればおよそ数週間以内で自然に治ります。


○ 甘草の豆知識 甘草は古くから去痰薬や胃・十二指腸潰瘍薬、アレルギー治療薬などとして使用されているほか、抗炎症、解毒などの目的でも広く使用されており、葛根湯や甘草湯などとして処方されています。他の苦い漢方薬と異なり、甘みがあるのが特徴です。そのため、お酒やお菓子などにも使用されています。


本態性高血圧とは

 高血圧の原因は色々ありますが、そのうち90%くらいは原因がはっきりとわからず、本態性高血圧と呼ばれています。本態性高血圧の原因は1つではなく、様々な要因が関わりあって起こっていると考えられています。



○遺伝的要因 本態性高血圧の最も大きな要因として、遺伝によるものが考えられています。高血圧になる人の家族や親族の中には同じように高血圧の人がいる事が多く、遺伝子が関係しているとされています。

○加齢による血管老化の要因 人間の血管は年齢とともに老化し、個人差はありますが動脈硬化を起こしていきます。これがスムーズな血流を妨げて、血圧を上昇させる原因として考えられています。

○環境的要因 食事からの塩分の摂りすぎやタバコ、お酒、ストレスなど、生活習慣に起因する要因も考えられます。これらの要因は生活習慣を改善する事で取り除く事が可能ですが、改善する事が難しい習慣がある事も事実です。


女性の高血圧

 女性は一般的に男性よりも血圧が低く、あまり高血圧が問題になる事はありません。それは女性ホルモンに血管の収縮や老化を防いだり、水分やナトリウムの排泄を促す作用があるからです。しかし更年期以降は女性ホルモンの分泌が大幅に減少するため、高血圧に対しては男性と同様に注意しなければなりません。

 女性の場合、最も血圧に注意をしなければならないのが妊娠中です。妊娠中はホルモンバランスが変わりやすく肥満にもなりやすいため、血圧が上がりやすくなります。

 妊娠中の高血圧はWHOのガイドラインによると、最高血圧が140mmHg以上、最低血圧が90mmHg以上、あるいは妊娠前か初期と比較して最高血圧が+25mmHg以上、または最低血圧が+15mmHg以上であれば妊娠性高血圧とされています。

 高血圧が進むと妊娠中毒症になりやすくなるため、太り過ぎないようにしなければなりません。最終的な体重増加は標準体重の人で8kg以内、多くても10kg以内にとどめるようにしましょう。

 また妊娠中の減塩や適度な食事量を守る事も大切です。妊娠中の高血圧が進むと降圧薬を使用しなければならなくなりますが、胎児への安全性を考慮して使用できる薬も限られてきます。

 使用可能な薬でも妊娠中は慎重に使わなければなりませんので、胎児のためにも肥満を防いで妊娠中の高血圧を予防するようにしましょう。


高齢者の高血圧

一般的に高齢になってから高血圧を発症する事はあまりなく、ほとんどが以前から高血圧である場合です。

なぜなら高血圧の9割を占める本態性高血圧は男性で30~40代、女性は50代で発症する事が多く、60代以降で発症する事はまれだからです。

もし高齢になってから血圧が上がったのであれば、腎血管性高血圧などの二次性高血圧が疑われますので、原因を確認する必要があります。

 高齢者の高血圧は最低血圧の割に最高血圧が高いという特徴があります。その理由として血管の動脈硬化が進んでいる事があげられます。動脈硬化によって血管内部が狭くなっていると血液が流れにくくなるため、それだけ強い圧力で血液で流そうとするために最高血圧が上昇してしまうからです。

また、高齢者の高血圧の特徴として血圧の変動のしやすさがあります。これは心機能や筋力の低下、血行不良などによるもので、急に立ち上がって血圧が下がる起立性低血圧や、食後の消化器系に血液が使われる事で、食後30~90分くらいにも低血圧が起こりやすくなります。また入浴後にも血圧が下がりやすくなります。

 高齢者の高血圧の基準も一般成人と同様、最高血圧で140mmHg以上、最低血圧で90mmHg以上です。治療の行い方も同様で軽症であれば食事療法や生活改善などを行いますが、高齢者の場合にはなかなか生活習慣を変える事が難しく、そのため必要に応じて降圧薬を使用します。

高齢になると他の病気で複数の薬を処方されている場合もあります。降圧薬の中には他の薬と相互作用を起こすものがありますので、合併症の有無や現在使っている薬をきちんと医師に伝えるようにして下さい。


高血圧の検査の進め方

高血圧の検査では、まず始めにスクリーニング検査を行います。スクリーニング検査とは、問診、診察、肥満の判定、尿検査、血圧検査、眼底検査、心電図検査、胸部X線検査の事で、これは誰にでも行われる検査です。これらの検査によって高血圧の種類と程度が調べられ、明らかに原因や合併症がない軽い高血圧と診断された場合は、食生活や日常生活の注意点の指導が行われます。しかし血圧がかなり高かったり合併症が疑われる場合には、さらに詳しい検査が行われます。

○ 問診 医師は患者さんから話を聞く事によって、本態性高血圧なのか、他の病気が原因で起こる二次性高血圧なのかを判断します。あらかじめ問診票に現病歴や既往歴、家族の病気についてなどを記入し、それを基に進められる事が多いようです。このほか、普段起こっている症状や始まった時期、症状が出やすい時間帯などをあらかじめまとめておくと、診断の際に情報の漏れが少なくなります。

○ 診察(血圧測定・聴診・打診・触診) 血圧は時間帯によって変動がありますが、基本的には病院で測定した値をもとに高血圧かどうかを判定します。聴診は聴診器を胸やお腹にあてて、心血管の雑音の有無や心音の変化などを聞きます。打診では指でトントンと胸をたたいて、心臓が大きくなっていないかなどを調べます。心臓の大きさは大抵レントゲンで判断をするので、打診はあまり行わなくなっています。触診は体を触って腎臓や肝臓の腫れ、腫瘍の有無、むくみがないかなどを調べます。高血圧によって腎機能が低下すると、脚のすねにむくみが出るようになります。

○ 肥満の判定(BMI) 肥満は高血圧を悪化させたり合併症を引き起こす最大の原因になります。そのため体重管理が高血圧治療にとって大切になってきます。肥満は大きく分けて皮下脂肪型肥満と内臓脂肪型肥満がありますが、心臓や血管の病気にとってリスクになるのは内臓脂肪型肥満です。肥満の程度を判定する簡単な指標として、身長と体重のバランスから判定するBMI(ボディ・マス・インデックス)があります。



高血圧の食事療法

 高血圧の食事療法の基本
 高血圧は食生活の影響を受けやすく、高血圧を予防・改善するためには食事内容を見直す必要があります。食事療法の基本としては、食塩の摂取量を減らす、食べすぎを避ける、脂肪分の摂取を控える、栄養バランスのよい食事を摂る、の4つがあります。


 食塩の摂取量を控える事は高血圧の食事療法で最も大切な事で、ナトリウムに対して感受性の高い人では食塩の摂取量を減らすだけで血圧が正常になる事もあります。日本人平均の食塩摂取量は1日13gとされており、これを1日7g以下に抑える必要があります。

 食べすぎは肥満や糖尿病、高脂血症など生活習慣病全般の危険因子であり、動脈硬化の原因のひとつでもあります。肥満傾向の人はBMI(ボディ・マス・インデックス)から算出する標準体重(身長(m)×身長(m)×22)に収まる事を目標にしましょう。また脂肪分の摂りすぎは血中のコレステロールや中性脂肪を増やし動脈硬化のリスクを増やしてしまいます。栄誉バランスを考え、タンパク質、脂質、糖質のほか、ビタミン、ミネラルなどの摂取を心掛けましょう。特にタンパク質は血管の強化に欠かせない栄養素なので毎日の食事で忘れず摂るようにしましょう。


正しい血圧の測り方

 現在多くの家庭に血圧計があり、使いやすいものもたくさん販売されています。定期健康診断だけでなく、家庭でも体重計で体重を測るように血圧を測る習慣をつけて、高血圧の早期発見・早期治療につなげるようにしましょう。

 血圧の測定は静かな場所に座って安静にした状態で測定します。測定する時の状況がその時によって違っていると血圧もその状況による変化の影響を受けてしまい、日毎の血圧が比較が難しくなります。血圧の測定はなるべく同じ時間帯に測定するようにしましょう。一般的には朝起きて少ししてからか、夕食後から寝る前など、継続して測定できる時間帯に1日1~2回測定するのがよいでしょう。降圧薬を服用している人はこれに加えて午前中に測定すると、飲んでいる薬の効果が確認できるため、今後の治療方針を決める際の大切な情報源となります。


 血圧を正しく測定するポイント
○ 測定前は最低5分間安静にしておく測定前にはトイレをすませておく
○ 食事、運動、喫煙の後や、興奮したり寒い所にいた後は30分以上あける
○ 初めて測定する場合は左右両方の腕で測り、次回からは高い値の出た腕で測るようにする


食事の改善 自然の降圧薬、カリウムをとる

 カリウムが多く含まれる野菜などの食品は、塩分を排出する効果があります。カリウムを多めにとり、血圧を管理しましょう。

余分な塩分を排出するカリウム
医食同源という言葉があるように、食と医療はとても密接な関係にあります。塩分のとりすぎが血圧の上昇に関係する一方、カリウムの摂取で余分な塩分が排出され、血圧を下げる効果があることがわかっています。高血圧の治療中の人は、減塩と合わせて、積極的にカリウムをとる料理を選択しましょう。

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 カリウムが多い食品

カリウムの摂取量に決まりはありません。カリウムは、主に野菜類(アスパラガス、ブロッコリー、ほうれん草など)、いも類、果物類(プルーン、干しあんず、バナナなど)、海草類に多く含まれています。こうした食品を積極的に食べるようにして、バランスの良い食事を目指しましょう。ただし、腎臓が悪い人がカリウムを多く摂取すると「高カリウム血症」になり、血圧の上昇を招くことがありますのでご注意ください。

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早朝高血圧とは

 早朝高血圧とは、仮面高血圧になりやすい高血圧タイプの一種です。

 基本的に、血圧は交感神経が優位になると高くなります。ですから、早朝は今まで寝ていたわけですから、副交感神経が優位だった状態です。目覚めた後は、徐々に交感神経が優位になり、徐々に血圧も上がっていくのですが、早朝高血圧のタイプの人は、この早朝の血圧上昇が一気に起こります。
 
例えば、早朝にマラソンなどをして心筋梗塞などで倒れるというタイプの人はこの早朝高血圧のタイプの人だと考えられます。

 さらに早朝高血圧は2つのタイプに分けられます。

 朝起きて一気に血圧が上昇するタイプと、寝ている段階から血圧が上昇していくタイプです。

 前者が早朝上昇タイプ、後者が夜間持続タイプと呼ばれています。

 どちらも血圧上昇が不安定でありますが、寝ている段階から血圧が高い夜間持続タイプの人は、それだけ高血圧の時間が長くなりますから、注意がより必要になってきます。
 
ある意味、早朝高血圧の人は、低血圧の人と比べると目覚めはいいのではないかと思います。

 朝から活発に活動できるわけですから、余計注意が必要になってくるかもしれません。もし血管が詰まっていたら、一気に血圧が上昇することによって心疾患になる可能性が高いと考えられます。


子供の高血圧

 最近子供の血圧が上昇傾向にあるようです。原因として考えられるのは、栄養が多い食事を多く摂るようになったこと、早い時期から受験などでストレスが増えたこと、お菓子に含まれる塩分などを多く摂っていること、運動をする機会が少なくなったなどが挙げられます。

 また、子供の高血圧だけでなく、同時に肥満も増えているのも同じような要因によるものでしょう。

 大人になってから高血圧になるのはある程度仕方がないことです。徐々に心臓や腎臓の機能が低下していきますし、血管も長年血液の圧力に影響を受けて弾力性もなくなってきますし、コレストロールもある程度付着していきます。

 ですが、子供の場合は、まだ新しい身体機能を持っているわけですから、通常の生活習慣においては、血圧が高くなるケースは低いのではないかと思われます。

 もし、子供の頃から高血圧の傾向にある場合は、大人になってからも高血圧になりやすい傾向になるといわれています。

 子供の頃から血圧が高いという場合は、少し生活習慣の食生活やストレス環境などを親が見直す必要があるかもしれません。

 大人になってから困る前に事前に予防できることはしておいた方が良いのではないかと思われます。


仮面高血圧とは

 よく高血圧関連で耳にする言葉として、仮面高血圧という言葉があります。

 仮面というと聞きなれないイメージですが、実は高血圧以外にもうつ病にも使われたりもします。

 仮面という言葉を使うということは、高血圧ではなさそうにも関わらず実は、高血圧であるということです。

 このような仮面高血圧では、診察時の測定では通常の血圧であるのに、実は診察時以外の時では実は高血圧であったりする場合がそれに当たります。

 血圧はもともと1日の間でも大きく変動することもあります。人によってはそれがかなり極端に出る人もいます。

 そういう人は、高血圧がなかなか見えにくくなっています。

 仮面高血圧の場合は、通常の高血圧と違って数値が見えにくいですから、気づいたときには何らかの疾患に発展している可能性もあります。

 ですから、仮面高血圧の方が危険の場合もあるということです。常日頃から高血圧を意識していれば、ある程度の予防ができますが、このように気づかないままではそのまま高血圧が放置され続けることになります。

自分は高血圧ではないと思っている人でも、ある程度の期間は血圧測定してみるのも良いかもしれません。結局は仮面高血圧を早期に発見するには自分が意識して測定してみるしか方法がありません。


高血圧の人は頭痛に注意

高血圧の人は頭痛が起きやすいと一般には言われているといいます。

今解明されている高血圧の頭痛のメカニズムとしては、血圧の変動が大きいことによって起こるといいます。

つまり、治療を行っていったんは血圧が下がっても、また上がると起こるということ。なぜかというと、脳内の太い血管が急速に広がって、神経が刺激されてしまい、からだがそれを不快な情報としてうけとることで、頭痛としてかんじるのです。

 いい例として、高血圧の人に限らず、朝起きたときに頭痛っておきやすいですが、これは睡眠中に脳に炭酸ガスがたまるのだけれど、これを早く排出しようとして、血管が急速にひろがるためです。

 
高血圧が原因となって起こる頭痛の中にはそれほど心配する必要のないものもありますが、中には危険なものも含まれています。

それは頭痛だけではなく、動悸やめまい、痙攣、意識障害などの症状をともなっているケースです。

このような場合には高血圧の陰に重大な病気が潜んでいることもあるため、安易に鎮痛剤などを使って痛みを抑え続けるのではなく、すみやかに医療機関を受診した方が賢明です。

また、急激に血圧が上がったことによって脳圧が上昇し、引き起こされる頭痛は高血圧緊急症(高血圧脳症)と呼ばれ、手当てに急を要します。このような場合には視力障害が見られるケースもあり、すぐに治療を受ける必要があります。


血圧に関する間違った理解

昔から、①下の血圧が高いから注意した方が良いとか、②下の血圧が低いから大丈夫とよく言われてきたが、最近の研究で、これらが必ずしも正しく無いことが明らかになってきた。

下の血圧が高いのは良くないが、一番の問題はやはり上の血圧。上の血圧が高いのは危険。上の血圧は正常範囲にまで下げる事が大事。一般に太り気味の人は下の血圧が高めになる。

下の血圧が低いからといって安心してはいけない。低すぎるのも良くない。動脈硬化などが進んでいれば下の血圧は下がる。上下の差が大きいのは良くない。最高血圧-最低血圧が65以上ある場合は血管が硬い可能性がある(但し50才以上の場合)

血圧の薬は一度飲み始めると一生飲み続けなければならないと思っている人が多いがこれは重大な誤り。

血圧が薬やその後の生活習慣(運動と食事)の改善などで充分適正なレベルに下がっているなら、医師と相談の上休薬や減量して経過を見るのが良い。

血圧の下がりすぎは脳梗塞などを引き起こすこともあるので血圧がコントロールすべきレベル以下にあるときは、漫然と薬を飲み続けるのはむしろ危険。

血圧を上げる行為

血圧を上げる行為

食べ過ぎ、偏食

甘い物の食べ過ぎ

運動不足

塩分の濃い食べ物を好む(梅干し、みそ汁、漬物)

車の運転でスピードを出すと血圧が上がる

通勤もあたふたと急ぐと血圧が上がる

会議・残業の連続

睡眠不足

ストレス

トイレを我慢する

便秘で息む

夜中のトイレ

脱衣場と風呂場が寒い

コーヒーの飲み過ぎ(一日4、5杯)

酒の飲み過ぎ(日本酒1.2合、ビール中瓶1本強、ワイン200ml以上は血圧を上げる)

糖尿病、脂質異常症


血圧を下げる行為

血圧を下げる行為

散歩や適度の運動。
散歩が時間の無駄と思わずひたすら歩くことが血圧の低下につながる。特に、週に合計1時間の早歩きが有効。下肢の血液循環が良くなると血圧は下がる。

減塩:
食事は薄味にする。ラーメンやみそ汁は具だけ食べ、スープは残す。ラーメンのスープには8gの塩分が入っている。漬物は水で洗って食べる。醤油は控え、酢・レモン・生姜・紫蘇等で食べる
全粒穀類、果物および野菜の多い食生活にする。脂肪、コレステロールの多い食品を避ける。

カリウム・カルシウム・ビタミンの豊富な食事
カルシウムの摂取量が多い人は高血圧が少ない。

風呂はぬるま湯に入る

十分な睡眠(睡眠不足は大敵)

深呼吸、腹式呼吸

ストレスの解消

何事もゆっくり行動する。急がない。

少量のアルコール

体重を減らす:BMI(体重/身長X身長) 25以下。特に内臓脂肪を減らすのが効果的。このため腹囲を85cm以下にする。

高血圧とトイレでの事故

高血圧症の人がトイレで倒れるケースもめずらしくありません。

原因はいろいろありますが、特に大きいのが寒暖の差です。

寒い冬の明け方近くの時間帯は、家の中が冷え切っています。そんな時トイレに行くと、寝床で温まっていた体が急に寒さにさらされ、血圧が上昇し脳卒中などを引き起こしてしまうわけです。

血圧は一般に寝ている夜間に低くなり、目が覚める明け方にかけて上昇し、活動的な昼間に最も高くなります。しかし人によっては、朝だけ特に血圧が上昇する場合があります。これを早朝高血圧症といいます。

いずれにせよ、明け方目を覚ましてから二、三時間は、脳卒中や心筋梗塞などの危険な発作が起こりやすいので、十分な注意を必要とします。

高血圧症の人のトイレでの事故を予防するには、寒暖の差を防ぐために体から寒さを守ることです。

寝床から出るときは、面倒でも必ずガウンなど一枚羽織る習慣をつけましょう。

便座が保温できるものを利用したり、トイレに簡単な操作で作動する電気ストーブなどを設置するのもいいと思います。


高血圧症の人がトレでの事故を引き起こすもうひとつの大きな原因は、排便時にいきむことです。

いきみはじめに血圧が上がり、意外なことに排便時に息をこらえて強くいきみ続けると、血圧が一時的に急降下することがわかっています。そして排便が終わって、いきみをやめほっと一息つくと、直後にまた血圧が急上昇するのです。

排便時には気がつかないうちに、血圧や心拍数が激しく変動しています。これが心臓や体などに大きな負担となり、心筋梗塞や脳卒中の発作の引き金になるのです。

トイレでの強いいきみをやめるには、便秘は大敵です。

便秘解消には、野菜・海藻類などの食物繊維の多い食品をとる。定期的な排便習慣をつけるなどの生活習慣の改善が必要となってきます。起きた時に、コップ一杯の水や牛乳を飲むのも効果があります。


小便でも特に男性の場合は、事故に注意が必要な時があります。排尿中に生じる徐脈と低血圧状態で、主にアルコール常用者の方に生じます。

たまった尿を急に出してしまうと、急激に膀胱が縮まり、副交感神経反射というのが生じて、著しい徐脈と低血圧が起こり失神してしまうのです。

このときに失神によって転倒事故が起こるのです。アルコール好きな方で、中年から高齢の方は注意してください。

高血圧と入浴時の注意

高血圧症の人たちが、風呂場で倒れるケースが後を絶ちません。きちんとポイントを抑えて正しい対処をしましょう。

高血圧の人たちが入浴時に問題となるのは、季節・脱衣場の室温・お湯の温度・入浴時間などがあります。

真冬に脱衣場が寒かったりしますと、裸になると血圧が大きく上がります。浴室に入ってお湯につかると、お湯の温度が非常に高かったりすると、お湯の熱さの刺激でまた血圧が上がります。

脱衣場と浴室の急激な温度差には、十分注意しましょう。

冬場の脱衣場は、電気ストーブを置くなどして暖かくしておくなどの環境整備も大切です。風呂のふたをしないでお湯を張って浴室全体を温めておく工夫もいいでしょう。

お湯の温度は、高温を避け42度以下のぬるめのお湯に入る習慣をつけましょう。

入浴時間もいくらぬるめのお湯といっても、あまり長時間湯船に使っていると、心臓に負担をかけます。また大量に汗をかくことになるので、血行が悪くなり、心臓のトラブルにつながる危険性も高まります。

お湯につかるのは、10~15分以内を目安にしましょう。


入浴を終えてほっと一息つくと、血圧は急激に下がります。高いお湯の温度の刺激で、交感神経が興奮して血圧が上がりますが、暖かいお湯そのものは、血管を拡張させます。

したがって入浴直後から血圧は下がり始めます。

湯船に浸かっていて出る時に急に立ち上がったりすると、貧血などで立ちくらみを起こすことがあります。それは、血管拡張のせいです。

お風呂の中では、動作をゆっくりするよう心がけましょう。もちろん入浴中に気分が悪くなった時は、すぐに風呂を出て、静かに休むようにしましょう。

高血圧と日常生活の注意

高血圧症の方が日常生活の中のごく普通の行為の中で、血圧を上昇させてしまうことが結構あります。。

血圧は、昼間起きているときに上昇して、夜寝ているときに低くなるのが常です。

夜寝ているときに、血圧が低くなることで、心臓や血管が安静に保たれるので、睡眠は、人間の体にとって必要かつ大切なことです。

高血圧症の人が気をつけなければならないのは、朝起きた時のいろいろな急激な動作です。

活動している夜の間は、多くの血流を必要としません。それで血管は収縮して細くなっています。

血液は、活動的な昼間は事故に備えて固まりやすくなっています。逆に夜の間は、活動量も落ちるので事故の確率も下がるので、血液は固まりにくくなっています。

血管は細くなっていて、血液が固まりにくい状態で朝を迎えるのですが、起き抜けには、血液が固まりやすくなっていることが分かっています。

起きて活動することで血圧が上昇して、心臓や血管に負担がかかるうえに、血液が固まりやすくなっていることは、心筋梗塞・脳出血・脳梗塞などの発作がおきやすくなっています。

こんな状態の時に、暖かい寝床から寒いトイレに起きだしたり、急いで着替え・洗面などの行動をすると、血圧が急上昇してしまう危険があります。

高血圧症の人は、明け方の起床時の行動・動作はなるべくゆっくりしたほうが、危険を回避できます。


高血圧症の方が日常生活の中で、早朝だけでなく急激な激しい運動に注意しましょう。

階段を駆け上がったり、駆け下りたり、重い荷物を持ち上げたりする無理な動作、急激な動作は血圧を急上昇させてしまいます。

高血圧症の人は、無理な動作、急激な動作は禁物です。あせらずにゆっくりな動作を心がけて、血圧の上昇を防ぐようにしましょう。
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高血圧と食事

高血圧を治すには、生活習慣の改善と薬物療法の二つがあります。

高血圧になる原因の環境因子である食慣習は、高血圧と多いに関係があります。食事の改善をして高血圧になる要素を減らしていくことが、高血圧を治す食事療法の中心となります。


高血圧を食事で改善するには、減塩と食べすぎ解消です。

塩分を多く取りすぎると、血圧が上がるのは、塩分の取りすぎで体内のナトリウム濃度があがると濃度を低くしようという作用が起こります。

つまり、のどが渇くことによって、水分の補給をします。すると血液中の水分量が増え、心臓はより多くの血液を送り出さなければならなくなります。その結果心臓のポンプ機能に負荷がかかり、血圧が上昇してしまいます。

ほかにも、塩分をたくさん摂取すると、血圧をコントロールする交感神経が働いて血圧が上昇してしまいます。

塩分の取りすぎは、以上のように血圧を上昇させてしまうので、高血圧を治す食事療法に減塩は欠かせません。

今日本人が1日に摂取している食塩の量は、約13gにもなります。

健康な人でも望ましい塩分量は、1日10g程度なので、多くの日本人は塩分を取りすぎていることになりますね。高血圧症の人ならば、6~7g以下に制限することが望ましいといわれています。

1日の塩分量を7g以下にすると、二日で血圧が下がったというデータもあるほどです。

高血圧を改善するには、減塩に留意した食事をとることがいかに大事か分かると思います。


食べすぎは、食事からのエネルギーオーバーを招き肥満につながります。肥満は高血圧症につながり、動脈硬化などの合併症を助長させます。

肥満で体が大きくなると、その分体のエネルギー消費量が増え、心臓から送り出される血液が増えるため血圧が上昇します。

肥満解消は、高血圧を治すばかりでなく、生活習慣病の予防にもなるので、食事のカロリーに注意した食事をとって食生活の改善をしたいものです。

白衣高血圧

白衣高血圧とは、病院に来るだけで血圧が上がったり、白衣を着た人の前にいくだけで血圧が上がることを意味します。

病院にいったり、医師・看護師さんを前にすると、緊張したり、なんとなく不快な気分がしたりして、どきどきしたり、顔が青くなったりします。このときは自律神経の副交感神経が活発に働くので、血圧は上昇してしまいます。

白衣高血圧と呼ばれる方たちの血圧は、医療機関以外では、正常な血圧を示すのですが、医療機関で計測すると高血圧となってしまうのです。

白衣高血圧かどうか判断するには、非医療機関での血圧測定が必要となります。

簡単で正確な方法は、家庭における自己血圧測定です。最近市販されている家庭用血圧計は、正確に血圧が測れます。二の腕にカフを巻きつけて測る血圧計を用いるようにしましょう。

血圧を測るのは、上腕血圧で行いますので、手首や指で測るものは正しい血圧といえないので、使用しないほうが賢明でしょう。

白衣高血圧かどうか判断するには、もうひとつ機械が自動的に24時間、繰り返し血圧を測定してくれる、自由行動下血圧測定と呼ばれるものもあります。


白衣高血圧が無害なものであるかどうかということですが、全く無害であると言い切れないというのが現状のようです。

白衣高血圧の人は、外来だけ血圧が高くなっているのではなく、人と話したり、仕事などで緊張を強いられる場面では、血圧が上昇していると考えられているからです。

特に若い人の場合、白衣高血圧も高血圧の一種として、対応すべきとの意見があるようです。


白衣高血圧と逆に、医療機関では正常で家庭での血圧が高い状態のことを逆白衣高血圧(仮面高血圧)と呼びます。

逆白衣高血圧は、お医者様も気がつきにくく、適切な治療が行われないことになりますので、家庭での血圧測定が非常に大事になってきます。

本態性高血圧症

高血圧症のほとんどは、本態性高血圧症といって高血圧の疾病原因が特定できないものです。本態性とは原因不明ということです。高血圧症の9割以上の人が、本態性高血圧症とみられています。

これに対して腎臓・副腎などが悪いなど疾病原因がはっきりしている高血圧症を二次性高血圧症といいます。

したがって、高血圧症といった場合は、ほとんど本態性高血圧症を指します。


本態性高血圧症は、遺伝因子とストレス・塩分の取りすぎ・運動不足などの環境的な因子によってもたらされています。本態性高血圧症は、それらの因子が、多数のモザイクのように複雑に絡み合って発症すると考えられています。

本態性高血圧症を治療するには、薬物療法と非薬物療法があります。

本態性高血圧症の原因となる、遺伝因子はどうすることも出来ませんが、環境因子は本人の意思による生活習慣の改善で治すことが出来ます。生活習慣の改善に取り組むことが、非薬物療法です。

現代人は、本態性高血圧症になる危険因子に取り囲まれた生活をしているといるでしょう。だからそうとうの覚悟がないと生活習慣の改善による非薬物療法は成功しないでしょう。


こんなタイプの人が、本態性高血圧症になりやすい

・家族に高血圧症の人がいる

・日ごろの食事で塩分をとりすぎている人

・運動不足な人

・肥満気味の人

・精神的ストレスにいつもさらされている人

・自宅・職場などで騒音に悩まされている人

・飲酒量が多い人

・たばこを吸う人

・神経質、几帳面、せっかち、攻撃的などのストレスをためやすい性格の人

高血圧にならない生活習慣

高血圧は日常の生活習慣が要因となって起こる疾患です。
高血圧になる方のおよそ9割の方は、ハッキリとした原因はわかりません。

高血圧の初期の自覚症状は、ほとんどといっていいほどありません。このため、見逃しやすく定期検診か、日常から自宅で血圧を計測していなければ、早期の発見は難しいです。

高血圧にならないためには、日ごろからの食事と運動が大切になります。
日常の食生活は、栄養の取れたバランスの良い、また塩分を控えた低カロリーな食事が望まれます。

特に塩分の取りすぎは、血圧を高めます。もともと日本食は塩分の多い料理が多いので、なるべくお塩やしょう油を控えたメニューを考えます。また脂分の多い食事もよくありませんので、取りすぎないことに注意します。

脂分の多い食事は血中のコレステロールを増やし、動脈硬化の原因になります。これは血圧を上げることになります。
外食の味の濃い食事は、なるべく避けた方が良いです。
アルコールは定期量であれば良いと考えられています。しかし、飲酒は量が過剰になりやすいので、飲み過ぎないように注意してください。


また運動は、適度な運動が好ましく、一日、ウォーニングであれば30〜40分程度の運動を毎日行いましょう。特に激しい運動でなくても、毎日続けられるメニューで行います。大切なことは毎日続けることです。

高血圧に良くないと言われるストレスも、解消できる方法をそれぞれに見つけましょう。何かひとつ没頭できるような趣味が良いでしょう。なかなかできないような趣味でなく、手軽にできる趣味が、すぐできることで望ましいです。
ストレスを兼ねたスポーツが良いでしょう。


高血圧と怖い脳の合併症

高血圧で脳に起こる合併症があります。
合併症が脳に起これば、とても危険な状態になることが多く、最悪、命を落としかねません。

また脳は人のすべての機能をつかさどっていますので、もし命が助かったとしても障害が残れば、その後の日常生活に大きく影響します。

脳に起こる高血圧の合併症は、脳こうそく、脳出血がよく知られています。


脳血栓には、ラクナこうそく・アテローム血栓性こうそく・脳そくせんの3つの種類があります。いずれも高血圧により血栓が脳にでき、脳の血管が詰まることが原因です。

脳出血は、高血圧により、脳の細い血管が破裂する症状です。高出血は出血した場所が、脳のくも膜下診あるときを、くも膜下出血といいます。
そして、脳の血管が破れ出血し、この事で脳が正常に機能しない、障害が残ることを総括して脳卒中といいます。


脳で起こる動脈硬化は、危険な合併症の脳血栓や脳こうそくを引き起こします。
これらの症状は、とても重篤な障害を残すことがあります。脳の機能が一部麻痺し、言語障害や半身麻痺という後遺症を残します。これらの障害は、日常生活に影響を及ぼします。また発作が起きたとき、速やかな処置が行われなかった場合は、死に至ることもあります。

このようなことにならない為にも、日常の食事に気を付け、適度な運動をして、降圧剤を服用されている方は、適切に服用し血圧のコントロールを行います。

高血圧
の合併症の怖さを十分に理解して、血圧のコントロールを行い、今以上に悪化しないように気を付けましょう。脳出血は日本では三大死因の一つにあげられています。


高血圧の方の入浴の注意

高血圧の方が注意しなければならないことに、お風呂の入り方があります。
よく、お風呂で倒れる方がいますが、これは血圧の急激な変化が大きく影響しています。
お風呂で倒れ死亡された方のおよそ半数の方が。心筋こうそくが死亡原因になっています。

高血圧の方が入浴中に倒れないように、また死亡のリスクを回避する方法は、急激な温度変化をしないよう心掛けることです。
なぜ入浴中に倒れるかは、温度変化が多くかかわります。特に冬場のお風呂は、室外と湯船の温度差が大きいからです。

お風呂へ入るとき、脱衣所は温度が低く、この時身体の血管は収縮して血圧が高い状態です。そこで湯船に入り身体を温めると、交感神経刺激され、更に血圧が上昇します。とのときはかなり血管に負担が掛かり、血管が耐えきれなくなると破裂して、危険な状態になります。
破裂するときは、血管の細い場所が破裂するので、脳出血といった症状を起こします。


もし血管が破裂しなかったとしても、お風呂で十分に暖まると、血管が開き拡張して血圧の低下を起こします。急激な低血圧は、意識を失い倒れることがあります。風呂場で転倒するケースは、この場合も多く診られます。

お風呂から上がってすぐは、血管が拡張して血圧も下がり、血液の流れがゆっくりとなります。また水分が少なくなっていますので、どろどろと血管をどろどろとした血液が流れますので詰まりやすくなります。

この時血管を詰まらせる血栓を起こします。これが心筋こうそくや脳こうそくとなり危険な状態になります。
これは、血圧が低下して起こる症状ですが、原因は高血圧によることが原因です。

入浴のときのリスクを少なくするために、急激な温度差を避け、熱い湯船に直ぐに入らず、水分は入浴前にも補給して入りましょう。
お風呂の適温は、ぬるめの38℃〜40℃で入浴時間は5〜6分程度が良いとされます。


高血圧と塩分制限した食事

高血圧にならないためには、日常の食事が大切になります。血圧をコントロールするということは、食生活を改善することにもあります。

高血圧の方がふだんの食生活を見直したことで、血圧が正常になることはあります。
一般に高血圧の方の食事は、塩分の少ない、栄養バランスの取れたメニューが要求されます。
またカロリーもコントロールされなければ、肥満になり高血圧の原因になります。
具体的に高血圧の方の食事を考えてみます。

血圧のことを考えた食事で、理想とされる塩分の摂取量は一日6gです。
しかし、日本人が一日に摂取する塩分の量は、平均12gになり、ふだんから多く摂取していることがわかります。

塩分制限をした食事は、最初はやはり味気ないものです。ふだんの食事よりとても薄く感じられ、この食事が続けば食欲のある方には、ストレスに感じることもあるでしょう。
いきなり6gに塩分制限した食事は続かないので、徐々に塩分を少なくする事が方法です。食事の味付けは、薄く塩分を控え、これを続けることで薄味になれてきます。

またメニューにも工夫を加え、香辛料を使い、お酢で味付けをして、お醤油やお塩を使わない工夫が大切です。
できる限り味付けにインパクトを与えるよう、それで塩分をなるべく使わないようにします。

また体重が多い方は、これと同時にカロリーもコントロールも行いましょう。
これは肥満の防止で、高血圧と肥満は密接な関係にあります。

最初からいきなり、厳しい塩分制限は患者の負担になりますので、徐々に長く続けることが大切です。


高血圧薬には飲み合わせがある

高血圧薬には、飲み合わせがあるのか。高血圧薬に限らず、薬には食べ物や飲み物によって、相性があります。高血圧薬でいうと、グレープフルーツの成分で分解されたり、吸収されにくくなるなどの影響があります。

肉などの高タンパクな食べ物でも、吸収が高まり、薬の効果が強く出てしまいます。このように飲み合わせによって、身体を健康にするはずの薬がかえって、害になってしまうおそれがあります。

服用する時は、医師に相談のうえ、きちんと用法を守るようにしましょう。

そうしないと危険です。

薬の効果も得にくくなるだけではなく、命の危険となることもあるのですから、守ろうという気になるはずです。



高血圧薬の一覧

高血圧薬の一覧。利尿薬 ・β遮断薬 ・α遮断薬。
αβ遮断薬 ・カルシウム拮抗薬。
ACE阻害薬・ARB。

それぞれの薬の特徴について、説明します。

腎臓に作用し、ナトリウムと水分の排出を促すのが利尿薬。

心臓の活動量を適正にし末梢血管抵抗を減少させるのがβ遮断薬。

血管拡張作用を促すα遮断薬。心臓の活動量を適正にし末梢血管抵抗を減少させ、血管拡張作用を促すαとβの両方の作用があるαβ遮断薬。

血管拡張作用により、高血圧を下げる効果があるカルシウム拮抗薬。血圧を上げる酵素であるアンジオテンシン変換酵素を阻害するACE阻害薬。

血圧を上げる物質である「アンジオテンシンⅡ」を阻害するARB。

このような特徴がそれぞれにあります。




高血圧薬は一生飲み続けないとダメか

高血圧薬を一生飲み続けないといけないのか。

必ずしも、高血圧薬を飲み続けなければならないというわけではありません。

血圧が高い状態が続くと血管に負担がかかるため、心臓や脳、腎臓などに障害を引き起こします。

高血圧の治療は、まず血圧を下げて血管や臓器への障害を予防する事が最優先されます。

降圧薬によって血圧を落ち着かせてから、血圧に影響を与えている食生活や生活習慣の改善を行います。

これがうまくいけば、薬物治療がいらなくなる事も可能です。

��番よくない事は自分の判断で薬の服用を中止したり、量を減らしたり、規則正しく飲まない事です。

このような状態では血圧が安定せず、いつまで経っても改善には向かいません。

粘り強く治療に取り組んでいきましょう。そうすれば今は高血圧薬を服用したとしていても、服用しなくてよい時がくるはずです。



高血圧薬には副作用がある

血圧薬には副作用がある

高血圧薬には副作用があるのか。薬というものは、副作用が必ずあります。

ですから高血圧薬にも副作用はあるのです。まず、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)は、めまいや動悸が起こる可能性があります。

アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)から考えられる副作用は、空咳です。

カルシウム拮抗薬の副作用は、歯肉の腫れ、顔の火照り、足のむくみ、尿の量の増加です。

β遮断薬は、手足の冷え、インポテンス、息切れ、徐脈などです。

利尿薬の副作用として起こりうる症状は、通風、糖尿病、インポテンス、脱水・低カリウム血症などになります。

このように高血圧薬によっても、副作用はさまざまです。医師の指示のもと、薬の服用については、考えなくてはいけません。



高血圧薬カルブロック

高血圧薬カルブロックとは、どんな薬か。カルブロックとは、カルシウム拮抗薬です。カルブロックを服用すると、得られる効果は、血圧を緩除に下げ、1日1回の投与で24時間安定した降圧効果が期待できることです。

従来のカルシウム拮抗薬のデメリットとして、服用すると脈が上がる副作用がありましたが、カルブロックは脈が上がらないか、1分間に2~3拍下げます。。

カルブロックの投与目的は、血圧を下げて脳血管疾患や心筋梗塞への罹患をを防ぐこと。しかし、血圧を急に下げるものを使い続けると、血圧は下げっても、真の目的の脳血管疾患や心筋梗塞を起こしやすくなる可能性が示されていました。

しかし、カルブロックは心筋梗塞などの可能性が低いです。



血圧降下剤の使い方 β遮断薬

通常は上記で示した、140/90mmHg以下にするのが目標ですが、糖尿病・腎障害の患者さんの場合は130/80mmHg以下を目標とします。

以下に降圧剤の基本的な使い方を述べます。
1, 単剤で低用量から開始する。
2, 1日1回服用でよい長時間作用型の降圧剤を使用する。
3, 2~3ヶ月以内に降圧目標に達することを目指す。
4, 到達しない場合は、他の種類の降圧剤を併用する。
5, 利尿薬の少量投与は他の降圧剤の作用を強めるので3剤目に利尿薬を用いることを原則とする。


1、β1選択性か
インデラルなどの非選択型β遮断薬は、β2受容体も阻害するので、気管支喘息のヒトには注意である。

2、脂溶性か水溶性か
脂溶性のβ遮断薬(プロプラノロール、メトプロロールなど)は肝臓で代謝され、作用時間が短いが。水溶性のβ遮断薬(アテノロール)などは腎臓で排泄され、作用時間が長い。

3、ISA
ISA(内因性β刺激作用)作用をもつβ遮断薬は、過度の徐脈を防ぐので、高齢者、徐脈の患者さんに適している。

血圧降下剤の使い方 カルシウム拮抗薬 

ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬は、圧受容器反射を介した交感神経の活性化から、反射性の頻脈が起こりやすい。

エポニジピンはT型チャネルも抑制して心保護作用、腎保護作用を、シルニジピンはN型チャネルも抑制して交感神経抑制効果を示す。

アゼルニジピンは降圧に伴う心拍数の増加が見られにくい。ニフェジピン、バルニジピン、マニジピン、ベニジピンには利尿効果がある。

ベニジピン、シルニジピン、エホニジピンは腎糸球体の輸出細動脈を拡張させて、糸球体圧を低下させ、腎保護作用を示す。

これらの血圧低下作用以外の付加作用も治療に対して十分考慮に入れる。 長時間型か短時間型かについても気をつけたい。

アダラートなどの短時間型Ca拮抗薬は急に血圧が下がるので、虚血性疾患の続発に注意し、最もよく使われるノルバスクなどの長時間型Ca拮抗薬は24時間降圧作用が持続していない場合があることに注意する。


血圧降下剤の使い方 ACE阻害薬とARB

エビデンスの量の関係、及び心筋梗塞抑制効果の関係で、ACE阻害薬のほうがARBに比べて分があるが、空咳や血管浮腫の副作用について考えれば、ACE阻害薬よりもARBのほうが分があるといえる。

ACE阻害薬、ARB両者に見られる注意点としては、妊娠中の服用が禁忌であること、血清カリウムの上昇をきたすことがあげられる。妊娠中の高血圧は、胎盤血流量を減少させるため、130/80mmHg未満にするのが安全であるといわれている。

ACE阻害、AT1拮抗薬(ARB)は食事をせずに服用で血中濃度が上昇する。

利尿薬ではNa排泄低下により代償的にレニン-アンジオテンシン系が亢進するため、ACE阻害薬を併用すると過度の血圧低下が起こる。

また、これらは即効性ではなく有効かどうかは4~8週後に行われる。ACE阻害薬の降圧作用にはブラジキニンによるNO遊離も絡んでいる。

AⅡは、腎臓において輸出細動脈を収縮させ、糸球体内圧を上昇させるとともに、メサンギウム細胞の増殖やTGFβを介して糸球体硬化を進展させる。これを抑制するので、AT1拮抗薬には 腎保護作用あり。

心筋は高血圧で肥大する以外に、AⅡが直接心筋を肥大させる。心臓の心筋細胞以外の部分である間質を増殖させ、繊維化や動脈内腔の狭小化を引き起こす。




高血圧と血液サラサラの関係

高齢者だけでなく、このところ若い人の間でも中性脂肪や血圧の上昇といった血液がドロドロのために起ってしまう病気になっています。

赤血球や白血球が血管を通りにくくなるために、血がドロドロとしてしまうということがわかっています。

高血圧と血液サラサラも深く関係してきます。

血がドロドロしてしまうことで全身に血液が流れにくくなるために血圧が上昇してしますのです。

また血圧の上昇だけでなく心筋梗塞や脳出血、脳梗塞などの恐ろしい病気を引き起こします。

また血がドロドロすると疲労感が回復しなかったり、頭痛や手足の冷えなど、体にさまざまな悪影響が及んできます。

高血圧と血液サラサラの関係は深く、これを改善することで血圧や他の様々な症状までも改善していきます。





高血圧の合併症

高血圧によって起こる臓器障害、合併症には次のようなものがあります。

脳では、脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)

心では、狭心症、心筋梗塞、心肥大、心不全

腎では、蛋白尿や慢性腎臓病(CKD)、腎不全

その他では、大動脈瘤、末梢動脈疾患(閉塞性動脈硬化症)などがあります。


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高血圧と脳卒中の関係

脳卒中のリスクファクター(危険因子)には、高血圧、糖尿病、心臓病や不整脈、高脂血症、喫煙などさまざまなものがあげられますが、この中で最大の危険因子は「高血圧」です。

厚生労働省の調査によると、収縮期血圧が140から159mmHgの軽症(I度)高血圧の人では、脳卒中により死亡する危険度が至適血圧者(110~119mmHg)の約3倍になります。

収縮期血圧が180mmHg以上の重症(III度)高血圧になると、この危険度は7倍以上にもなります。


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高血圧の合併症 心臓病

高血圧の合併症として、心臓病が挙げられます。心臓病といってもいくつか種類がありますので、どんな合併症が現れるのか紹介していきましょう。心臓は最も命に関わる重大な機関ですので、早急な治療が望まれるでしょう。血圧が高くなると、それだけ心臓も多く働かなくてはいけないので、様々な合併症が出てくるのです。高血圧による心疾患は、高血圧ではない人に比べてリスクが3倍高くなると言われています。しっかりと治療しなければ取り返しのつかないことになりかねません。


   心肥大
生きている限り、私たちの心臓は絶え間なく動き続けています。心臓を動かしているのは心筋という筋肉です。高血圧ということは、強い力で心筋が全身に血液を送り出しているということで、次第に、血液を送り出している左心室の壁が肥大してきます。鍛えられた筋肉が厚くなるのと同じことです。これが心肥大です。

足や腕の筋肉と違い、心臓がこの状態でいると徐々に心筋が疲労して、やがて心臓のポンプ運動が低下して心不全におちいってしまいます。血液を送り出す機能が低下するために、心臓にそのまま血液がたまったままになってしまったり、肺水腫という、肺が水ぶくれした状態になってしまいます。こうなると、呼吸困難、動悸、息切れなどが現れるようになります。

特に、呼吸困難は睡眠時に起こりやすく、命に関わるものになります。これが心肥大の恐ろしいところです。検査は超音波検査で心筋の厚さを調べるとすぐに分かり、血圧降下剤で心臓にかかる負担を軽くしてあげなければいけません。

   狭心症
絶え間なく動き続ける心筋は、動くために大量の血液を必要とします。この心筋に血液を運ぶのが冠動脈です。高血圧は動脈硬化が起こりやすいことで知られていますが、冠動脈に動脈硬化が起こると、血管の内部が狭くなり、血管が収縮すると心臓は血流が途切れてしまうので動けなくなってしまいます。心臓へ血液が一時的に流れなくなることを狭心症というのです。

狭心症の症状は、突然の発作に襲われ、胸が圧迫されるような苦しさが、胸全体や左胸に起こります。発作が起こったら、冠動脈を拡張させなければいけませんので、ニトログリセリンなどを舌下から吸収しなければいけません。発作の予防する薬もありますので、医師の指示に従って服用するようにしましょう。食事の見直し、生活習慣の改善も絶対的に必要になってきます。

   心筋梗塞
先に紹介した狭心症は、冠動脈の血液が一時的に心臓に流れなくなるものですが、この心筋梗塞は、冠動脈の狭くなった部分に血栓がつまり、長い時間血流が途絶えてしまうことで、その先の心筋の組織や細胞が死んでしまう病気です。呼吸困難や胸の痛みの発作も長時間続くのですが、狭心症のようにニトログリセリンなどは全く効果がありません。

重篤で命に関わりますので、一刻も早く救急車を呼び、集中治療室(ICU)や冠状動脈疾患集中治療室(CCU)のある医療機関へ搬送しなければいけません。治療を行って自宅に戻れたとしても、予後も薬物治療で再発を防がなければいけませんし、狭心症の場合以上に、細心の注意を払って食事療法や生活改善をしなければいけません。

   心臓病の危険因子
近年の高血圧治療の普及によって、脳疾患の合併症は少なくなってきているにも関わらず、心疾患は増加の傾向にあります。高血圧の合併症である心疾患は、生活習慣病と言われる糖尿病、肥満、高脂血症なども大きく関わっています。それぞれが軽い症状であっても、同時に発症すると心疾患が発生する率が上がってしまいます。生活習慣を見直しましょうと口酸っぱく言うのには、こういう訳があるからなのです。どれもが軽い症状だからと油断しないようにしましょう。


高血圧の合併症 脳血管障害

高血圧の合併症として、脳血管障害について紹介していきます。頭のことなので、心臓と同じくらい怖い病気ばかりです。脳に疾患があると、命はとりとめても、予後が本人はもとより、周りの家族も大変な思いをしてしまいます。

     脳出血
合併症の中で、一番高血圧と関係の深いものとして、脳血管への障害があります。よく聞かれる病名として脳卒中がありますが、脳出血やくも膜下出血、脳梗塞があります。その中で脳出血は、高齢になることによっての脳の細動脈が動脈硬化を起こし、血圧が高くなることで圧力がかかって血管が破れてしまい、出血を起こすことをいいます。

細い動脈ほど血圧の影響を受けやすくなり、高血圧の状態が続くことにより動脈の壁がダメージを受けます。やがて動脈瘤となることで血管の壁が膨らんで薄くなり、ちょっとしたきかっけで破れてしまいます、こうしたことから脳出血は前兆もなく、いきなりの頭痛やめまい、嘔吐に見舞われてしまうのです。

程度にもよりますが、半身マヒ、意識障害や言語障害、けいれんなどが見られる場合があります。軽い場合は生命の危険はありませんが、後遺症が残る場合もあります。早期からリハビリに取り組むことが望まれます。

     脳梗塞
脳梗塞の症状は、徐々に出てくる場合と、突然起こる場合があります。能動脈の動脈硬化が起こり、その部分に血栓が詰まって血流が止まってしまう病気を脳梗塞と言います。詰まった血管の先には血液が流れていかなくなるので、その先の脳細胞が壊滅してしまいます。脳がダメになってしまうと、半身マヒや言語障害が現れてしまいます。

行われる治療は、脳梗塞の起こっている部分をCT検査やMRI検査で調べます。外科的治療として、血管が詰まっている部分にカテーテルを通して、詰まりを通す場合もあります。一時的に脳への血流が途切れて半身マヒや口のもつれなどを起こすこともありますが、脳梗塞の前兆と捉えられています。一時的とはいえ、このような症状があった場合は、早急に医師の診断を受けなければいけません。

 
     くも膜下出血
くも膜下出血は、高血圧によるものと、脳動静脈奇形のものがありますが、ここでは高血圧が関係するものを紹介します。脳は髄膜に覆われていて、硬膜、くも膜、軟膜という3つの層になっています。膜の間には血管が走っていて、くも膜と軟膜の間には空間があり、くも膜下腔と呼ばれています。この空間は髄液が満たしています

。ここにある血管が破れてくも膜下腔に流れ出ることをくも膜下出血と呼びます。高血圧になって血管が破れ、いきなり激しい頭痛と吐き気や嘔吐に見舞われます。高血圧による脳動脈瘤が原因になっていて、手術によって出血を止めることになります。現在では破裂を防ぐために、脳検査で脳動脈瘤が発見された時点で、破裂しないように先に手術を行うことが多くなってきました。


     脳動脈硬化症
脳動脈が高血圧のために動脈硬化を起こし、血の流れが悪くなると、半身マヒや言語障害など、脳卒中の発作が特徴的になりますが、こうした症状が現れない場合があります。頭痛、めまい、手足のしびれや立ちくらみ、耳鳴りや物忘れ、夜眠れないなどの症状が起こることがあり、これを脳動脈硬化症と呼んでいます。高齢者の高血圧患者に多く見受けられ、糖尿病も併発している場合は進行も早くなります。脳卒中の前触れである場合がありますので、医師に相談するようにしましょう。


     脳血管性痴呆
老人性痴呆にはアルツハイマー型と脳血管性痴呆があります。脳血管性痴呆の原因は、脳血管が高血圧により動脈硬化を起こし、規模の小さな脳梗塞をいくつも起こしてしまう多発性脳梗塞などの後遺症が原因となっています。脳の血流がスムーズにいかないために、脳細胞に血液が十分に行渡らないため、の憂い細胞が少なくなっていきます。このため、痴呆の症状が出てしまうものです。痴呆になると日常生活に支障が出るだけではなく、人格が崩壊する場合もあり、早期に血管拡張剤や脳の循環代謝を改善してくれる薬などで薬物療法を行わなければいけません。


高血圧の合併症 腎臓病

高血圧の合併症による腎臓病を紹介していきます。普段から腎臓に異常がなくても、高血圧の状態が長い間続くと、腎臓の細動脈に動脈硬化が生じてしまいます。これにより、様々な弊害が出てきてしまいます。

      腎硬化症
腎臓は、体の老廃物を体外に排出する働きがあります。糸球体という部分が血液の中の老廃物を尿として排出してくれるのです。高血圧になることにより、腎臓にかかる圧力も上昇します。そのため、老廃物として体外に排出される量も増加するのですが、この状態がかなり長期間に渡ると、糸球体や、腎臓をはしる細い血管に負担がかかり、徐々に障害が出てきます。

糸球体に障害が出ると、血液の中にある老廃物はもとより、塩分なども体外に排出されなくなるので、益々血圧が上がってしまいます。このことにより、腎臓以外の高血圧の合併症でもある、脳や心臓の病気も進めてしまうことになります。治療を行わずに放っておくと、やがては人工透析をしなければいけなくなってしまいます。

更に、元々腎臓に障害があったり、糖尿病も併発している場合、高血圧になることによって病気が進みやすくなり、慢性腎不全になってしまいますので、目標とする血圧の数値を低く設定して治療を行わなければいけません。腎硬化症が進行してしまうと、腎臓に流れ込む血液の量も減ってしまいます。水分や老廃物のろ過にも支障をきたしてしまう結果になり、血圧もあがることにより悪循環に陥ってしまいます。


     慢性腎不全
腎臓病の治療を怠り、放置した結果慢性腎不全になってしまう可能性があります。これは腎臓の全機能が回復できないところまで来ているということです。高血圧が腎臓疾患に大きく関係しており、人工透析の原因の第3位には、上に挙げた病気の、高血圧による腎硬化症も挙げられています。慢性腎不全の様々な原因によって、その経過は変ってきますが、糸球体の細胞が増加したり肥大したりし、糸球硬化を招きます。

腎硬化症が進み、高血圧や尿タンパク、血中クレアチニン濃度が上がってしまい、糸球体障害から腎不全へと移行してしまうのです。腎不全とされる数値は、GFR(糸球体ろ過値)が毎分30ml以下、血清クレアチニンが2mg/dl以上が続くことを言います。ちなみに、血清クレアチニンの正常値は0.5~1.5mg/dlになります。

病期 GFR(糸球体ろ過値) Cr(血清クレアチニン) 症状 治療
1期
腎予備力低下 約80~50ml/分 0~2mg/dl ほぼ無症状 食事療法 ・ 薬物療法
2期
保存期 腎不全前期 約50~20ml/分 2~5mg/dl 貧血・尿濃縮力低下・夜間尿
3期
保存期 腎不全後期 約20~10ml/分 5~8mg/dl 貧血・低カルシウム血症・高カリウム血症・高リン血症・代謝性アシドーシス
4期
尿毒症 約10ml/分以下 8~ mg/dl 上記の他に、血液系・消化器系・循環器系・神経系の尿毒症症状。無尿・乏尿 透析療法 ・ 腎移植


     悪性高血圧
悪性の高血圧では、腎機能障害を急激に起こすことがあり、最低血圧が130mmHg以上を悪性高血圧と言います。目に見えた血圧の上昇により、血管の中が傷つきます。その傷を修復するために、血液が固まりやすくなるのです。こうしたことで、細い血管内に血栓ができてしまい、腎臓の血管も細くなってしまうのです。

結果、腎臓は血圧が低くなっていると判断し、血圧を上げるホルモンを出してしまい、更に血圧が上がってしまうのです。この症状が進行する前に血圧降下剤などで適切な治療を行って血圧を管理することで、腎機能の回復へと向います。


糖尿病で高血圧が問題になる理由

糖尿病には高血圧の人が多い

 糖尿病の人の 40~60パーセントが高血圧をもっていますが、これは糖尿病でない人の約2倍の頻度です。また、年齢が若いうちから血圧が上がり始めることが多く、罹病期間が長い人が多いため、合併症が現れる頻度が高くなっています。
 糖尿病の人が高血圧になりやすいのには、次のような背景があります。

(1) 高血糖で循環血液量が増える
 血糖値が高い状態では、体内の細胞の浸透圧が高くなっています。そのため、水分が細胞内から細胞外に出てきたり、腎臓からの水分の吸収が増えたりして、体液・血液量が増加し、血圧が上昇します。
(2) 肥満の人が多い
 肥満していると、交感神経(自律神経のひとつで心臓や血管に働きかけます)が緊張し、血圧を上げるホルモン(アドレナリン、ノルアドレナリンなど)が多く分泌されるので、高血圧になります。糖尿病(2型糖尿病)の人は太っていることが多く、高血圧になりやすいのです。

(3) インスリン抵抗性がある
 インスリン抵抗性とは、インスリンの作用を受ける細胞の感受性が低下している状態です。インスリン抵抗性は、それ自体が糖尿病の原因になりますが、同時に、インスリンが効きにくくなったのを補うためにインスリンが多量に分泌され、「高インスリン血症」を招きます。高インスリン血症では、交感神経の緊張、腎臓でナトリウム(塩分)が排泄されにくい、血管壁を構成している細胞の成長が促進される、といった現象が起きて、血管が広がりにくくなり、血液量も増え、血圧が高くなります。

(4) 糖尿病性腎症から高血圧に
 糖尿病の合併症の腎症があると、腎臓から血圧を上げるホルモン(レニン)が分泌されたり、血液のろ過機能が低下し血液量が増えて、血圧が上昇します。



糖尿病と高血圧 動脈硬化

動脈硬化とは、動脈が硬く弾力性がなくなり、血管内径が狭くなることです。狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こす怖い病気です。

 動脈硬化の原因は、高血圧や糖尿病、脂質異常症(高脂血症)、肥満などがあります。この四つは互いに悪影響を与えながら、動脈硬化を加速度的に進行させ「メタボリックシンドローム」と呼ばれる、大変恐ろしい悪循環を引き起こします。

 具体的に、糖尿病と高血圧が心臓病や脳血管疾患に及ぼす危険性を数字でみると、健康な人の危険度を1とした場合、糖尿病で2~3倍、高血圧で2~3倍、糖尿病と高血圧があると6~7倍にもなります。

       
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生活習慣で高血圧を改善 肥満解消

標準的な体重を維持することは、高血圧の予防だけではなく、健康な生活のベースになります。肥満の解消に取り組みましょう。
肥満は合併症のリスクを高める健康な一生を送るためには、適正体重を維持することが重要です。肥満は高血圧を引き起こす主要因子であり、肥満と高血圧の両方をかかえた状態が続くと、動脈硬化や心臓病などの合併症が起こりやすくなります。特に注意が必要なのは、腸のまわりに体脂肪がたまる「内臓脂肪塑肥満」で、これを放置しておくと、軽度の高血圧であっても、メタボリック・シンドロームによって動脈硬化が進行し、命に関わる病気を誘発します。よって、高血圧で肥満がある人の療養には、適正体重までの減量と維持が必要不可欠です。また、高血圧で肥満が見られない人も、現在の体重を保つよう心がけましょう。適正体重の維持は、高血圧だけでなく、ほかの生活習慣病の予防にも効果的です。

2種類の肥満(内臓脂肪型肥満・皮下脂肪型肥満)
肥満は、体脂肪のつく部位により、内臓脂肪型肥満と皮下脂肪型肥満に分かれ、体型から、それぞれ「りんご型肥満」「洋なし型肥満」とも呼ばれます。高血圧などの生活習慣病と関係が深いのは、内臓脂肪型肥満で、腸のまわりの腹膜の一部「腸間膜」に脂肪がつき、その細胞からインスリンの働きを妨げる物質が分泌され、インスリン抵抗性が生じます。それが高血糖、脂質異常を引き起こし、さらに高インスリン血症が生じて、高血圧を誘発します。一方、皮下脂肪型肥満では、お腹やお尻、太ももにかけて脂肪がつきます。

減量目標はBMI25・0未満が目安に適正体重は、体脂肪のつき方が健康を保ちやすい状態であることを示します。その基準を簡単に割り出せるのが、国際基準の計算式BMI(ボディ・マス・インデックス)です。BMIは、身長と体重から算出することができ、日本人の場合、18.5以上25.0未満が普通体重で、生活習慣病かかりにくい健康な範囲とされます。減量はこのBMI25.0未満を目標に行います。

BMIの計算方法
標準体重を算出する国際基準BMI(体格指数)は、以下の計算式で求められます。
①BMI=体重kg÷(身長m×身長m) ②標準体重=(身長m×身長m)×22.0

男性の高血圧と肥満かつて日本では、食塩摂取量が非常に多い、痩せ型の男性に高血圧の症状が多く見られました。しかし、90年代以降は、肥満から高血圧を発症する男性が多くなってきています。


生活習慣で高血圧を改善 ダイエット

ダイエットによって血圧が下がった例が、多数報告されています。焦らず着実に減量を成功させましょう。

無理をせず、ゆっくりダイエットを肥満をともなう高血圧の人がダイエットを行うと、4~5kgの減量でも血圧降下が期待できます。しかし、急激な体重の減量は、健康に害を及ぼすので、無理のない方法で、長期的に着実なダイエットを目指します。肥満の原因は、ほとんどの場合、長年にわたる過食と運動不足の積み重ねです。つまり、減量を行う際は、この生活習慣を改める必要があり、食事からとる1日の摂取エネルギー量を抑え、適度な運動を習慣化することが2本柱となります。「運動で集中的に減量しよう」とか「ダイエット食品でやせよう」と考える人も多いですが、運動による消費カロリーは案外少なく、1kg減量するのは簡単ではありません(7000kcalの消費が必要)。また、ある特定の食品をとっただけで体重が減るのは、利尿薬含有による水分の排出から起こることが多く、根本的に体脂肪の減少にはつながらないので、注意しましょう。体に負担をかけず、精神的に無理のない減量は、1か月に体重の3~5%を減らす方法です。まずは、自分の体重を考えて減量プランを作ってみましょう。大切なのは、短期間で結果を出そうとせず、気長に実行し、適正な食生活と運動の習慣をつけることです。目標の体重まで達したあとは、1日の適正摂取エネルギー量を守り、運動も継続することによって、適正体重を維持できます。

体脂肪の減らし過ぎは危険
ダイエットは体脂肪の減少を目指して行いますが、減らし過ぎると、健康に害を及ぼすので注意が必要です。体脂肪は、体を動かす正ネルギーの貯蔵庫であり、寒冷刺激や暑さから臓器を守って体温調節を行い、血圧のコントロール、糖代謝、食欲の調節、免疫や性機能に関わるホルモンを分泌しています。ダイエットはBMI18.5未満にならない範囲で行いましょう。また、近年は体脂肪が測定できる体組成計が各種出ていますが、男女別の適正範囲は右のものです。【体脂肪の適正範囲】男性…15~20%/女性…20~25%

運動消費カロリーと食品カロリーの目安
無理のないダイエットでは、1日400~600kcalの消費をプラスしてゆっくり着実に体脂肪を落としていきます。一般的な運動での消費カロリーと、日常食のカロリーの目安を知っておくと、簡単な計算で減量プランが立てられます。


生活習慣で高血圧を改善 禁煙・煙草を断つ

喫煙は、高血圧、糖質異常症とともに動脈硬化の3大危険因子です。早めに禁煙を実行しましょう。喫煙の危険と禁煙のコツを紹介していきます。
喫煙は怖い合併症を進行させるたばこは体に深刻な害を及ぼします。血圧に関しては、喫煙後に血圧の急上昇が起こることが確認されています。これは、ニコチンが交感神経や副腎髄質に作用して、昇庄ホルモンの分泌を促進し、血管が収縮するために起こります。加えて、一酸化炭素が、血液中の酸素量を減らしてしまうため、心臓がそれを補おうとして心拍数を上げて働き、さらに血圧が上がります。また、ニコチンや一酸化炭素は、血液中の遊離脂肪酸を増やして血栓をできやすくし、悪玉のLDLコレステロールの酸化を促進させます。つまり喫煙は、高血圧改善の妨げとなるだけでなく、血管をさらに傷めて、怖い合併症である動脈硬化を進め、脳卒中や心筋梗塞の危険を高めます。そのため、高血圧の療養では禁煙が必須です。

喫煙による血圧上昇
たばこを1本吸うと、血圧は収縮期、拡張期とも10~20mHg前後上昇し、15分ほど高い状態が続きます。1日に20本以上を吸うヘビースモーカーでは、血圧上昇の状態がずっと続き、高血圧の人は当然、慢性的な循環器障害になる可能性が高まります。

危険な喫煙タイム
血圧が上昇しやすい時間帯や状態のときの一服は、血圧の急上昇を招き、発作の危険性もあります。とくに危険なのは、次の3点です。①起床時(血圧が上昇する時間帯)②怒っている時③イライラしている時

受動喫煙がもたらす害も深刻さらにタールには、40種類以上の発ガン物質が含まれ、肺ガンや喉頭癌をはじめとする癌の発症要因となっています。注意したいのは、これらの有害物質は、喫煙者本人だけでなく、周囲の人の健康をも、むしばんでいることです。喫煙者が吸う主流煙と、受動喫煙者が無意識に吸い込む副流煙を比べると、主流煙より副流煙のほうが、タールとニコチンを約3倍、一酸化炭素を約5倍多く含んでいます。この差は、喫煙者がフィルターを通して煙を吸うのに対し、受動喫煙者が煙を直接吸い込むことで生じます。喫煙が、自分だけでなく、家族や周囲の人の健康にも害を及ぼしていることを理解し、強い意志で禁煙に取り組みましょう。


生活習慣で高血圧を改善 睡眠のコツ

睡眠は血管の損傷を修復する時間。寝不足の状態が続くと、血管を修復する時間が十分にとれず、血管の損傷が進み、動脈硬化が進行します。しっかりとした睡眠は高血圧の予防になります。

睡眠不足は動脈硬化を進行させる高血圧の療養では、十分な睡眠をとることは、とても重要です。通常、血圧は昼間活動している時に高く、夜間は下がり、睡眠中は昼間の血圧より10~20%ほど低くなります。高血圧の人も、睡眠中は血圧が下がり、正常値になっているケースが多く見受けられます。血圧が正常値の状態では、血管への負担が解消され、さらに、昼間の活動中に受けた血管への損傷が修復されます。しかし、睡眠不足の状態が続くと、血管を修復する時間が十分にとれず、血管の損傷が進み、動脈硬化の症状が進行していきます。このため、高血圧の人はとくに、「よく眠れた」と感じる上質な睡眠をとることが重要なのです。また、睡眠には心身のストレスを軽減する効果もあるので、この意味からも1日7~8時間は睡眠をとり、その日の疲れはその日のうちに解消するようにしましょう。

早朝高血圧にも注意
血圧は、明け方になると上昇していきますが、高血圧の人達には、起床時に血圧が特に高くなる「早朝高血圧」の症状が見られることがあります。睡眠中に血圧が低くなり、起床時に血圧が急上昇する「モーニングサージ」と呼ばれる早朝高血圧は、脳卒中を引き起こす危険が高まるので、起床時の行動に十分気をつけましょう。

起床時に避けたい動作
●日が覚めて、布団から急に立ち上がる
●寒いトイレや洗面所に急いで行く
●冷水で顔を洗ったり、冷水で炊事を始める
●寒い浴室で、急にシャワーを浴びたり、朝風呂に入る
起床後は、布団の中で、手足を軽く動かして、全身の血行をよくし、体を温めてから起き上がりましよう。

睡眠時の危険な症状に要注意高血圧の人のなかには、睡眠中に血圧があまり下がらなかったり、逆に上がってしまう人もいます。睡眠中の血圧降下の程度が10%以下のケースを「夜間非降下型」、睡眠中の血圧が昼間より高い場合を「夜間昇圧型」と言います。こういう症状を持つ人は、腎臓・脳・心臓や自律神経系の機能障害を併発しているケースが多いので、早めに医療機関で診察を受けることをおすすめします。夜間の血圧上昇とともに注意したいのが、睡眠中に一時的な呼吸停止が繰り返して起きる「睡眠時無呼吸症候群」という症状です。この症状は肥満の人に多く見られ、仰向きに寝ているときに、軟口蓋や舌が気道をふさぐために起こります。大きないびきと呼吸停止が繰り返され、その度に睡眠障害が生じ、血圧も上昇します。このケースの人も、血圧コントロールが困難になるので、主治医や専門医に相談しましょう。

睡眠のコツ
「十分な睡眠」は、長時間眠ることではありません。熟睡感があり、爽やかな目覚めが得られることが大事です。
昼間の活動量をアップ
夜間しっかりと眠るためには、体内時計を正常に保つ必要があります。夜更かしを避け、毎日ほぼ同じ時間に目覚めましよう。昼間はこまめに体を動かし、夜眠りにつきやすい適度な運動を心がけます。

湯ぶねでリラックス
就寝の1~2時間前に、38~40℃のぬるめの湯につかり、心身をリラックスさせます。

ストレッチとツボ刺激
就寝前に、ストレッチなどの軽い運動を行います。運動で温まった体温が下がる2時間くらいが、深い眠りに入りやすいタイミングです。

就寝前1時間は間接照明に
ほのかな優しい明かりは、気分を鎮め、眠気を誘ってくれます。就寝前1時間ほどは間接照明にして、音楽などを聴きながらリラックスして過ごすのがいいでしよう。

お気に入りの香りを活用
アロマテラピーのエッセンシャルオイルやお香などを寝室に香らせます。リラックス効
果が高いのは、ラベンダー、カモミール、シダーウッドなどです。

睡眠のための環境づくり
睡眠中に、大きな物音や光の刺激を受けると、体が反応して血圧が上がってしまいます。寝室は静かな場所に確保し、外部からの光がある場合は、遮光カーテンやブラインドを活用しましょうまた、寝具はこまめに日干して、清潔を心がけましょう。枕は、仰向けに寝たときに、肩から首のラインが50°程度の角度ものが良いとされます。掛け布団は、体を圧迫しない羽毛布団が最適です。


生活習慣で高血圧を改善 入浴法

入浴は血圧の変動を招きます。高血圧の人の入浴で特に大事なのは湯の温度、浴室と脱衣所の室温、入浴中の姿勢です。高血圧の人の入浴方法を紹介していきます。
適切な入浴を行うと高血圧にも効果が入浴は、心身の疲れを取り、気分をリフレッシュするのに効果的です。忙しい毎日を送っている人達には、シャワーだけで済ましてしまう人もいるようですが、就寝前のリラックスタイムを兼ねて、湯ぶねにつかる入浴を楽しみたいものです。適温の湯につかると、血管が拡張して血行がよくなり、血圧が下がってくるので、高血圧にも有効です。ただし、寒い脱衣場で服を脱いだり、急に熱い湯につかるなどの不適切な入浴を行うと、血圧の急上昇を招き、発作で倒れる危険が増します。実際、入浴中に脳卒中や心筋梗塞を起こした高血圧症の人は多いです。血圧を変動させ過ぎない上手な入浴法をマスターしましょう。

半身浴が基本

みぞおちの下までつかる半身浴が基本。浴槽が狭めで足を伸ばせない場合は、風呂用の椅子を湯ぶねに入れて利用するとよいでしょう。また、最近は半身浴用の椅子も販売されています。

サウナと冷水は禁物
高血圧の人にとって、血管の拡張と収縮を繰り返すことになるサウナや水風呂は危険です。また、風呂上がりに水をかぶるのも、大きな血圧変動を招くのでやめましょう。銭湯を利用する際は、熱めの湯ぶねには入らないよう注意します。近年は、銭湯施設が充実してきており、38℃前後のぬる湯や、半身浴用の浴槽を備える施設も増えているので、事前に施設内容を調べてから訪れましょう。大きな湯ぶねに適切な方法でつかると、よりストレスが解消されます。


血圧をコントロールする上手な入浴法
特に大切なのは、湯の温度、浴室と脱衣所の室温、入浴中の姿勢です。
入浴前後に水分補給
入浴中と入浴後は、発汗などで体の水分が不足し、血液の濃度が増して血栓がつまりやすいので入浴前と入浴後に、コップ1杯の水を飲むようにしましょう。

声かけの徹底する
高血圧の人の入浴時は、浴室内での事故とその放置を防ぐため、家族がときどき声をかけるようにしましょう。ひとり暮らしの人は、ぬるめの湯の銭湯に通うのもよいでしょう。

降圧剤服用後の入浴は禁物
降圧薬を飲んだ直後に入浴すると、薬と入浴の血圧降下作用が重なり、急激な血圧変動を起こすことがあります。服用時間に注意をしましょう。

飲食直後の入浴は避ける
お酒を飲んだあとは血圧が低下する人が多いので、酔いがさめないまま入浴すると、血圧の変動のため事故につながります。また、入浴によいタイミングは食後2時間経ったころです。

浴室と脱衣所を温める
寒い時期、暖房をした部屋から室温が低い脱衣所や浴室に行き、服を脱ぐと、血圧が急上昇します。入浴前に、浴室と脱衣所を室温20~25℃に温めておきましょう。

湯の温度は38~40℃
日本の風呂の一般的な湯温は42℃前後ですが、この熱さでは血圧が上がりやすい(場合によっては収縮期血圧が50mmHgも上昇)です。適温はぬるめの38~40℃

心臓に負担をかけない半身浴
肩まで湯につかる日本古来の入浴法は、水圧によって心臓に負担がかかります。湯ぶねのつかり方は、みぞおちの下までを湯につける半身浴にしましょう。つかる前はかけ湯をします。

長湯はひかえる
ぬるめの湯でも長い時間つかっていると、心拍数が増し、血圧が上昇します。湯ぶねに続けてつかる時間は5分ほどにとどめ、1回の入浴で2-3回つかるようにしましょう。

動作をゆっくり
湯ぶねにつかった姿勢から急に立ち上がると、血圧が大きく変動し、立ちくらみや転倒の危険があります。浴槽でも洗い場でも、各動作をゆっくり行いましょう。


生活習慣で高血圧を改善 トイレでの注意点

日本では、冬季にトイレで発作を起こす人がかなりいます。特に高血圧の人はトイレの環境改善を行うのが得策です。高血圧・トイレでの注意点について紹介していきます。

冬場のトイレは要注意高血圧の人が、入浴と同様に気をつけたいのが、トイレでの動作です。日本では、血管が収縮しやすい寒い冬に、トイレで脳卒中や心臓発作で倒れる人が多くなります。この現象は、欧米ではあまり見られず、トイレが寒くなりがちな日本家屋の構造や、和式トイレでのしゃがむ動作が関係していると考えられます。暖房がきいた部屋から寒い廊下やトイレに行くと、急な冷気によって血圧が上がります。排泄のために下半身を冷気にさらすと、血圧はさらに上がり、その変動が大きいと、発作のリスクが生まれます。寒い時期には、トイレも暖めておき、トイレに立つときは、厚めの上着などをはおり、急な寒冷刺激から体を守りましょう。

いきみによる血圧上昇
排便時のいきみ動作は、健康な人でも40~50mmHgほどの血圧が上昇します。高血圧の人は、変動幅がより大きくなる場合が多いので注意しましょう。

高齢者はとくに注意を!
排便時、いきむ動作を中断して、大きく息を吸うと、上述のように、血圧が下がります。このとき、さらなる血圧低下を防ぐために、末梢血管が収縮して、血圧を上げるよう働きますが、高齢者になると、この血管反射が鈍くなってきます。その場合、血圧はどんどん下がり続け、脳卒中や心筋梗塞の発作が起こりやすくなります。高齢の人は特に注意が必要です。

いきみは血圧変動のもと
便秘や硬めの便も発作のリスクに

また、和式トイレの姿勢でしゃがみこむと、腹圧が高くなり、血圧が上がります。そこで排便のためにいきみ始めると、肺内の血液がいっせいに心臓に流れ、血圧が急上昇します。いきむ動作を続けていると、胸腔内の圧力によって肺に戻る血液が少なくなり、心臓の血液量も少なくなるため、血圧が下がってきます。ここで、いきみを中止して息を大きく吸うと、肺に血液が流れ出して、そこで一時とどまるため、心臓に流れる血液がさらに減り、血圧もさらに下がります。そのあと、血流は回復しますが、血圧低下を防ぐために末梢血管が収縮したままなので、いきむ前より、血圧は少し高めとなります。このように、トイレでのいきみ動作も、血圧に大きな変動を招きます。いきまなくても排便できるように、スムーズな便通を整えることや、トイレでの動作をゆっくり行うことが重要です。


トイレで発作を起こさない為に
血圧の急変動を起こさない為にトイレ環境と、排泄の方法を知っておきましよう。

冬季のトイレ
冬季のトイレを暖める
居室と廊下・トイレの温度差があまりない暖房方法が理想的ですが、家の構造によって困難な部分もあるので、寒い時期はトイレにも暖房を入れましょう。近年は、トイレ用暖房機もいろいろと販売されています。

洋式トイレに変更
和式から洋式トイレに変更
便座スタイルは、腹圧が少なくてすむ洋式トイレがベストです。和式から洋式への変更は、リフォーム工事なしで、洋式便座をかぶせるだけでも行えます。

便秘に注意
便秘にならないよう注意
強くいきむ動作を避けるため、便秘に注意しましょう。食物繊維が豊富な野菜、海藻類を多く食べて、適度な運動を心がけましよう。毎日、決まった時間に排便する習慣をつけるのも大事です。⇒【

夜中のトイレ
夜中のトイレは…
冬場の夜中のトイレは、寒冷刺激に加えて、寝た状態から起き上がる動作も加わるので、より危険が増します。夜中にトイレに立つときは、必ずガウンなど上着をはおってから向かいましよう。高血圧で高齢者の人は、寝室にポータブルトイレを用意し、夜中はそちらで用を足すのもいいでしよう。

「排尿失神」
排尿を我慢すると「排尿失神」を起こす危険があります
排便のいきみ動作に加え、排尿時にも血圧の変動が起こります。特に男性は、膀胱壁を張りつめることで、女性以上に尿意を我慢できますが、これは危険です。排尿を我慢していると血圧が上がり、その後、一気に排尿すると、急激に血圧が下がります。高血圧の人では、排尿後に気を失う「排尿失神」を起こす場合もあります。尿意は無理に我慢せずにトイレに行きましよう。排尿失神が起こりやすいのは、とくに夜中なので、就寝前は、血液を濃縮させないための水をコップ1杯飲むのに控えて、大量の水分摂取は避けましょう。また、就寝中に体が冷えると、尿意が起こりやすいので、寝具を暖かくすることも大事です。


生活習慣で高血圧を改善 季節の過ごし方

人の体は、温度変化に弱いです。高血圧の人は特に冬の寒さと夏の脱水症状に気をつけましょう。
脳卒中と心筋徒事は冬と夏に多発血圧は、季節の移り変わりによる温度変化によっても変動します。とくに寒い冬は、寒冷刺激によって交感神経の働きが活発になり、血圧が高くなります。暖房した部屋から、寒い洗面所やトイレ、浴室に行く場合も、血圧の変動が起こりやすく注意が必要です。かつて、夏は、血圧が安定しやすい季節と考えられていましたが、冷房の普及などにより、屋外と屋内の温度差が大きくなり、冬と同様に血圧の変動が起こり安くなっています。加えて、発汗によって体内の水分が不足しやすいので、血液の濃度が増し、血栓ができやすくなります。これらの理由から、脳卒中や心筋梗塞は、冬と夏の発生率が高く、血圧コントロールにも、更に配慮が必要です。春と秋は、血圧は比較的安定していますが、温度差が10℃以上ある場所の移動は、血圧の変動をもたらします。旅行や出張時は、現地の気温を事前に調べ、温度差からの守るを衣服の調整で緩和しましょう。

夏はカリウム摂取量を増やす
高血圧の療養では、カリウムを積極的にとることが重要です。発汗の多い夏は、その
量をさらに増やしましよう。汗にはナトリウムが含まれていますが、ナトリウムが排出されるときは、カリウムも一緒に出ていくので、夏は余計ににカリウム不足になりやすいです。調理時に栄養分が失われにくい生ジュースなどで補給しましょう。


冬と夏の注意点
冬の注意点
脳卒中や心筋梗塞は、冬の発生率が高くなっています。寒さから身を守る生活習慣を心掛けましょう。

外出時は防寒を。首すじはしっかり保温
外出時は、体から熱が奪われない服装を心がけます。重ね着によって、服と服の間に空気層を作ると、冷気から受ける刺激が緩和されます。また、首すじゃ頭が冷えると、冷たくなった血液が脳に流れ、その刺激で血管が収縮し、血圧が急上昇することもあります。外出時は、マフラーで首すじを保温し、髪が短い男性は、さらに帽子をかぶりましよう。

屋内全体の暖房が理想的
生活の場となる居室は、なるべく温度差がないように暖房します。日本の冬の暖房器具は、こたつが伝統的ですが、下半身だけが暖まり上半身が冷えたままになりやすいので、血流がとどこおりがちです。部屋全体を暖め、体にやさしい暖房器具としては、ヨーロッパ型のオイルラジエターヒーターなどが理想的でしょう。部屋全体が暖まり、空気を汚しません。廊下、洗面所やトイレなどに行くときは、温度差からの刺激を避けるために、厚手の上着をはおりましよう。

洗顔はぬるま湯で
高血圧の人は、冷たい水に手をつけるたけでも30~40mmHgほど血圧が上昇します。水道水が冷たくなる冬は、洗顔や歯磨きにぬるま湯を使いましょう。炊事や掃除の際にも、手を冷やさない温度の湯で行います。

夏の注意点
近年、夏に脳卒中と心筋梗塞の発生率が高くなっています。猛暑による脱水状態と、冷房温度の設定に注意しましょう。

こまめに水分補給
夏は体から水分が奪われ、脱水状態になりやすいです。こまめに水分補給をし、血液がドロドロになるのを防ぎましよう。とくに高齢者は、喉の渇きを感じにくいので、決まった時間帯に水分をとることが大事です。尚、水分摂取は、清涼飲料水ではなく、水やお茶、塩分・糖質ひかえめの野菜ジュースなどが適しています。

冷房は設定温度を高めに
夏の冷房は、冬の寒さと同様に、体を冷やして血管を収縮させます。冷房の設定温
度は26~28℃にして、室温を下げ過ぎないよう注意しましょう。また、公共施設など冷房がきき過ぎた場所に行くときは、血圧の急変動を避けるため、冷房刺激から皮膚を守る大きめのショールや薄手の上着を携行すると役に立ちます。また、熱帯夜などに冷房をつけたまま眠ると、体が冷えて血管が収縮し、夜間下がるはずの血圧が上がってしまいます。眠るときは冷房を切り、扇風機を使用して暑気を払うのが望ましいです。


生活習慣で高血圧を改善 ストレスと血圧の関係

ストレスは高血圧の原因のひとつです。過度のストレスをため込まない、上手な解消法や発散法を身につけましょう。
ストレスは高血圧の原因に私たちが生きていく中で直面する様々なストレスは、高血圧をはじめとする生活習慣病の大きな原因になります。ストレスが血圧を上げるメカニズムは、量ストレスが血圧を上げるメカニズムは【過度のストレス⇒脳の視床下部や下垂体からホルモンの分泌指令が出る⇒交感神経を介し、体を活動的状態にするホルモンが分泌⇒心拍数が上昇し、血管が収縮する⇒血圧が上昇】です。
これらのホルモンによる血圧上昇に加え、ストレスから交感神経への直接刺激によって血管が収縮することや、交感神経の緊張が腎臓のナトリウム排泄作用を低下させることも、血圧上昇を促進させます。よって、高血圧の改善には、ストレスを解消することも重要です。ただし、簡単に「ストレス解消」と言っても、その実行はなかなか難しいものです。個人がかかえている役目や状況、環境や事情を、そう簡単に放り出せるものではありません。そこで、目標にしたいのが、日々のストレスを小出しで発散し、ストレスを慢性化させないことです。とくに、精神的なストレスの蓄積は、ちょっとした気分転換を日課にするだけでも軽減できます。また、過度のストレスは、自分自身を抑圧し続ける状態から生じやすいので、無理をやめ、自分をいたわることも大切です。

過食と飲酒に注意
ストレス解消のために、過食や偏食、過度の飲酒に走る人もいますが、こういった発散法を繰り返すと、糖尿病、脂質異常症などのほかの生活習慣病も発症します。すると、怖い合併症である動脈硬化の進行が促進され、脳卒中や心筋梗塞のリスクがいっそう高まります。自分に合った健全なストレス発散法を探しましょう。


ストレス解消の為の小さな習慣
毎日、小さな習慣を重ねることが、ストレス解消への近道です。
無理をせず休む
ストレスが一定以上かかると、心と体のエネルギーが奪われます。
心身を休めなければ、ストレスが慢性化します。

気分転換をする
強いストレスがかかると、そのことだけを考え、マイナス思考に陥りやすいです。1日に数回、気分転換(散歩、ストレッチ、入浴など)の時間を持ちましよう。

趣味を持つ
ガーデニングや楽器演奏などの文化系の趣味を持つ人は、慢性疾患になる確率が低い、という調査報告があります。自分だけの時間を楽しむ趣味は、ストレスの解消につながり、人生を豊かにします。忙しい毎日でも、自分の好きなことを楽しむ時間を持ちましょう。

楽しい食事を
健康な心と体は、栄養バランスのよい食事から作られます。1回の食事を大切にして、楽しい雰囲気で食事をしましょう。

家族を大切にする
家族の愛情は人が生きるうえで大きな力になります。思いやりのある言葉をかけ合い、食卓を囲む機会を多くするなど、家族との触れ合いを大切にしましょう。

ストレスから逃げない
直面している問題から逃げてしまうと、後になって更に大きいストレスがふりかかります。問題を解決するか、困難なことであれば諦める勇気を持ちましょう。

今の自分を好きになる
自分を否定することは、あらゆる面でマイナス効果を生みます。過去にこだわらず、自分と他人を比較せず、ありのままの自分を好きになりましよう。

必要以上に感情を抑えない
感情を抑え過ぎるとストレスがたまります。中でも笑う事は交感神経の緊張を和らげる効果があります。


高血圧を予防する健康レシピ 納豆

納豆は牛肉に匹敵する良質なたんぱく質を持ち、カリウム・マグネシウム・カルシウムなどをバランスよく含んだ血圧安定に有効な食べ物です。ワカメに含まれるカリウムやアルギン酸が体内の余分な塩分を体外に排出して高血圧や動脈硬化の予防に働きます。マグロやねぎを加えることで、高血圧の予防効果はさらに高まります。

納豆とマグロのエスニック春巻き
所要時間:20分
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納豆は牛肉に匹敵する良質なたんぱく質を持ち、カリウム・マグネシウム・カルシウムなどをバランスよく含んだ血圧安定に有効な食べ物です。ワカメに含まれるカリウムやアルギン酸が体内の余分な塩分を体外に排出して高血圧や動脈硬化の予防に働きます。マグロやねぎを加えることで、高血圧の予防効果はさらに高まります。
●材料(2人分)
納豆 90g
マグロ 80g
ワカメ(塩蔵) 10g
ねぎ 15g
春巻きの皮 3枚
レタス 適量
ごま油 適量
�� しょうゆ
  酢
  砂糖
  赤唐辛子 小さじ1
大さじ2
小さじ1
少々
水溶き小麦粉 小麦粉小さじ1:水小さじ2



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●作り方
① マグロは細かく刻む。
② ワカメは水で洗い、細かく刻む。
③ ねぎは小口切りにする。
④ ボウルに納豆とねぎを入れよく混ぜ、マグロとワカメを加え混ぜる。12等分に分ける。
⑤ 春巻きの皮を4等分にし、④を包み込む。巻き終りに水溶き小麦粉を付け止める。同じ物を12本作る。
⑥ Aを合わせて調味液を作る。
⑦ フライパンにごま油を熱し、⑤を揚げる。
⑧ 器に盛り、レタスを添える。

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高血圧を予防する健康レシピ 豆鼓

豆鼓は大豆の半乾燥発酵品。豆鼓ににんにくやオイスターソースを加えて味噌状にした豆鼓ジャンは、味噌や醤油のルーツといわれる中華調味料の一つです。キンメダイは低脂肪で良質なたんぱく質を含み、タウリンが血中コレステロールを低下させ血圧低下に有効な魚です。にんじんのカリウムやしいたけの食物繊維をプラスして、高血圧予防効果を高めます。酢に含まれるアルギニンには血圧を下げる働きがあります。


キンメダイの豆鼓(トウチ)ジャン野菜蒸し
所要時間:15分
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豆鼓は大豆の半乾燥発酵品。豆鼓ににんにくやオイスターソースを加えて味噌状にした豆鼓ジャンは、味噌や醤油のルーツといわれる中華調味料の一つです。キンメダイは低脂肪で良質なたんぱく質を含み、タウリンが血中コレステロールを低下させ血圧低下に有効な魚です。にんじんのカリウムやしいたけの食物繊維をプラスして、高血圧予防効果を高めます。酢に含まれるアルギニンには血圧を下げる働きがあります。
●材料(2人分)
キンメダイ 2切れ(160g)
にんじん 20g
ほうれん草 2株
しいたけ 2枚
豆鼓ジャン 小さじ2
ゆず酢 適量



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●作り方
① キンメダイは水気を拭き取り、上になる面に豆鼓ジャンを塗り、耐熱皿に乗せる。
② にんじんは細切りにする。
③ ほうれん草は熱湯でさっと茹で、水に放し、水気を絞り、5cm長さに切る。
④ しいたけは石づきと軸を取り、かさと軸は細切りにする。
⑤ キンメダイの上に、にんじんとしいたけを乗せ、蒸気の立った蒸し器に入れ、強火で約8分蒸す。
⑥ ほうれん草を加え、さらに約2分蒸す。
⑦ 器に盛り、ゆず酢を添える。

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高血圧を予防する健康レシピ イワシ

イワシは血流をよくする多価不飽和脂肪酸のEPA(エイコサペンタエン酸)を豊富に含んでいる青魚です。血中コレステロールを低下させる働きにも優れ、豆腐(マグネシウム)・にんじん(カリウム)・えのきだけ(食物繊維)と食べ合わせると、高血圧の予防に優れた働きを発揮します。しょうがを加えて、イワシの臭みを消し、脂肪の酸化を防ぎます。


イワシと豆腐の煮物
所要時間:25~30分
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イワシは血流をよくする多価不飽和脂肪酸のEPA(エイコサペンタエン酸)を豊富に含んでいる青魚です。血中コレステロールを低下させる働きにも優れ、豆腐(マグネシウム)・にんじん(カリウム)・えのきだけ(食物繊維)と食べ合わせると、高血圧の予防に優れた働きを発揮します。しょうがを加えて、イワシの臭みを消し、脂肪の酸化を防ぎます。
●材料(2人分)
イワシ 2尾
豆腐 1/4丁
にんじん 20g
えのきだけ 30g
しょうが 1片
�� 酒
  しょうゆ 大さじ1
大さじ1



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●作り方
① イワシは頭と内臓を取り、よく洗う。
② しょうがは薄切りにする。
③ にんじんは5mm厚さの短冊切りにする。
④ 豆腐はやっこに切る。
⑤ えのきだけは根元を取り、ほぐす。
⑥ 鍋にイワシを並べ(器に盛り付ける時に上になる面を下にする)、しょうがとにんじんを入れ、水2カップ(分量外)を加えて火にかける。
⑦ 煮え立ったらAを加えて弱火にし、落としぶたをして約10分コトコト煮る。イワシを静かに返し、さらに弱火で10分煮る。
⑧ ⑥に豆腐とえのきだけを加え、ひと煮させる。

 
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高血圧を予防する健康レシピ ホタテ

ホタテは高たんぱくで低脂肪のため、ダイエットに向く貝です。遊離アミノ酸のタウリンを豊富に含んでいるため、コレステロールを低下させ血圧を正常にする働きに優れています。かぶやしめじでカルシウムやカリウム、食物繊維を補います。かぶとしめじは抗がん作用の高い成分を含有しているため、がん予防も期待できる食べ合わせです。


ホタテとかぶの炊き合わせ
所要時間:20分
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ホタテは高たんぱくで低脂肪のため、ダイエットに向く貝です。遊離アミノ酸のタウリンを豊富に含んでいるため、コレステロールを低下させ血圧を正常にする働きに優れています。かぶやしめじでカルシウムやカリウム、食物繊維を補います。かぶとしめじは抗がん作用の高い成分を含有しているため、がん予防も期待できる食べ合わせです。
●材料(2人分)
ホタテ 150g
かぶ 2個(200g)
しめじ 50g
かぶの葉(ゆでたもの) 50g
�� だし汁
  酒、しょうゆ、砂糖 1と1/2カップ
  各小さじ2


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●作り方
① ホタテはよく洗い、水気をきる。
② かぶは皮をむき、4等分に切る。
③ しめじは石づきを取り、小房に分ける。
④ 鍋にAとかぶを入れ2~3分煮る。
⑤ ⑤にホタテ、しめじを入れ、中火で約10分煮る。
⑥ かぶの葉を加え、2~3分煮る。

 
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高血圧を予防する健康レシピ タラ

高たんぱくで低脂肪のタラと、ビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富な根菜類は、コレステロールを低下させ、高血圧や生活習慣病の予防に有効な食べ合わせです。タラに含まれるタウリンが効能をさらに高めます。さといもやれんこんのムチンが胃腸の働きを増強するため、体力強化にも有効です。カレー粉で風味がついているため他の調味料の必要はなく、また薬効にも優れています。


タラと根菜のカレー揚げ
所要時間:15分
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高たんぱくで低脂肪のタラと、ビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富な根菜類は、コレステロールを低下させ、高血圧や生活習慣病の予防に有効な食べ合わせです。タラに含まれるタウリンが効能をさらに高めます。さといもやれんこんのムチンが胃腸の働きを増強するため、体力強化にも有効です。カレー粉で風味がついているため他の調味料の必要はなく、また薬効にも優れています。
●材料(2人分)
生タラ(切り身) 2切れ150g
さといも 1個
ごぼう(小) 1/2本(35g)
れんこん 50g
�� 小麦粉
  カレー粉 小さじ4
小さじ1
付け合せ(セロリの葉) 適量



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●作り方
① タラは一口大に切り、塩少々(分量外)を振り、しばらく置いてから水分を取る。
② さといもは皮をむき、7~8mm厚さの輪切りにする。
③ ごぼうは皮をこそげ、7~8mm厚さの斜め切りにし、水にさらす。
④ れんこんは7~8mm幅の半月切りにする(大きい場合はいちょう切りにする)。
⑤ ボウルにAを入れ混ぜる。
⑥ 鍋に油を180℃に温め、先にさといも、ごぼう、れんこんにAをまぶし、色よく揚げる。野菜が揚げ終わったらタラにAをまぶし、色よく揚げる。
⑦ 器に盛り、セロリの葉を飾る。

 
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高血圧を予防する健康レシピ 豚肉

豚赤身肉で良質なたんぱく質を取り、血管を強化します。蒸すことで余分な脂質を落とすため脂質の取り過ぎの心配はありません。にらのカルシウム、にんじんのカリウム、レタスのビタミンEが血流をよくして高血圧予防に働きます。ビタミンB1が豊富な豚肉は、にらの硫化アリルの働きで吸収が高まり、疲労回復や体力強化にも有効です。


豚肉と野菜の蒸しワンタン
所要時間:20分
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豚赤身肉で良質なたんぱく質を取り、血管を強化します。蒸すことで余分な脂質を落とすため脂質の取り過ぎの心配はありません。にらのカルシウム、にんじんのカリウム、レタスのビタミンEが血流をよくして高血圧予防に働きます。ビタミンB1が豊富な豚肉は、にらの硫化アリルの働きで吸収が高まり、疲労回復や体力強化にも有効です。
●材料(2人分)
豚ひき肉(赤身) 80g
にら 2本(15g)
にんじん 20g
ワンタンの皮 10枚(50g)
レタス(大葉) 2枚
�� にんにく、しょうが、ねぎ(みじん切り)
  ごま油
  酢、しょうゆ 各少々
少々
各小さじ1
オリーブ油 大さじ1
塩、こしょう 各少々



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●作り方
① にらとにんじんはみじん切りにする。
② ボウルに豚ひき肉・にら・にんじんを入れ、塩・こしょうをして手でよく混ぜ合わせ、10等分にする。
③ ワンタンの皮に②を乗せて包み、包み終わりに水溶き小麦粉を付けて止める。耐熱皿に包み終わりを下にして並べ、強火で約10分蒸す。
④ Aを混ぜ合わせ、タレを作る。
⑤ レタスは細切りにする。
⑥ 器にレタスを敷き、蒸したワンタンを盛り、タレを添える。

 
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高血圧を予防する健康レシピ ごま

ごまは成分の約50%強が良質な不飽和脂肪酸です。不飽和脂肪酸はコレステロールを調整して、高血圧や動脈硬化予防に働きます。常食すると血管がしなやかになり、牛肉のたんぱく質と一緒に丈夫な血管を作ります。大根で食物繊維を、じゃがいもとにんじんでカリウムを補い、高血圧予防効果を高めます。


牛肉のごま焼きおろし添え
所要時間:15分
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ごまは成分の約50%強が良質な不飽和脂肪酸です。不飽和脂肪酸はコレステロールを調整して、高血圧や動脈硬化予防に働きます。常食すると血管がしなやかになり、牛肉のたんぱく質と一緒に丈夫な血管を作ります。大根で食物繊維を、じゃがいもとにんじんでカリウムを補い、高血圧予防効果を高めます。
●材料(2人分)
牛肉(赤身薄切り) 6枚(120g)
ごま(黒と白) 各大さじ1
大根おろし 適量
オリーブ油 適量
付け合せ(じゃがいもとにんじんのグラッセ) 適量



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●作り方
① ごまは弱火でよく煎り、すり鉢でよくする。
② フライパンにオリーブ油を熱し、牛肉の片面にごまを付け、ごまの付いた面を下にして入れ、両面をさっと焼く。
③ 器に盛り、大根おろし、じゃがいもとにんじんのグラッセを添える。

 
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高血圧を予防する健康レシピ じゃがいも

豆・じゃがいも・ブロッコリーのクリームチーズ和え
所要時間:15分
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じゃがいもはカリウムの王様と呼ばれるくらい、カリウムを豊富に含んでいます。ブロッコリーはカルシウムを豊富に含み、豆類の食物繊維と一緒に高血圧や動脈硬化の予防に働きます。クリームチーズと牛乳のカルシウムが血圧上昇を予防し、良質なたんぱく質が血管強化に働きます。
●材料(2人分)
煮豆(赤いんげん豆、ひよこ豆など) 80g
じゃがいも 1個
ブロッコリー 100g
�� クリームチーズ
  牛乳 40g
大さじ2
塩、こしょう 各少々



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●作り方
① じゃがいもは皮つきのままゆで、皮をむき一口大に切る。
② ブロッコリーは熱湯で茹で、小房に分ける。
③ ボウルにAを入れ、よく混ぜ合わせる。
④ ③に豆、ブロッコリー、じゃがいもを加え、和える。塩・こしょうで味を調える。

 
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高血圧を予防する健康レシピ さつまいも

さつまいもと昆布は生活習慣病の予防に優れた食べ合わせです。コレステロールやナトリウムを体外に排出する働きに優れており、豊富な食物繊維が腸内の環境を整え、便秘予防にも有効です。小豆のカリウムと食物繊維をプラスすることで、体内の余分な塩分や老廃物が排出され、高血圧予防効果がさらに高まります。


さつまいも・昆布・小豆の煮物
所要時間:15~20分
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さつまいもと昆布は生活習慣病の予防に優れた食べ合わせです。コレステロールやナトリウムを体外に排出する働きに優れており、豊富な食物繊維が腸内の環境を整え、便秘予防にも有効です。小豆のカリウムと食物繊維をプラスすることで、体内の余分な塩分や老廃物が排出され、高血圧予防効果がさらに高まります。
●材料(2人分)
さつまいも 1本(130g)
昆布(乾燥) 5g
小豆(煮たもの) 30g
�� しょうがの薄切り
  だし汁 1枚
��と1/2カップ
�� しょうゆ
  みりん 大さじ1
大さじ1



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●作り方
① さつまいもはよく洗い、皮つきのまま1cm厚さの輪切りにする。
② 昆布はさっと洗い、細切りにする。
③ 鍋にA、さつまいも、昆布を入れ中火で約10分煮る。
④ ③にBと小豆を加え、煮汁がなくなるまで弱火でじっくり煮る。

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高血圧を予防する健康レシピ 海苔

海苔はビタミン・ミネラル・食物繊維などを豊富に含んでいます。特に水溶性の食物繊維はナトリウムが腸から吸収されるのを防ぐと同時にカリウム放出にも働き、カリウムやカルシウムの働きと一緒に、血圧降下に有効に働きます。アサリのタウリン、きゅうりのカリウム、酢のアルギニンが高血圧予防をさらに高めます。


アサリときゅうりの海苔酢
所要時間:30分
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海苔はビタミン・ミネラル・食物繊維などを豊富に含んでいます。特に水溶性の食物繊維はナトリウムが腸から吸収されるのを防ぐと同時にカリウム放出にも働き、カリウムやカルシウムの働きと一緒に、血圧降下に有効に働きます。アサリのタウリン、きゅうりのカリウム、酢のアルギニンが高血圧予防をさらに高めます。
●材料(2人分)
アサリ(むき身) 20g
きゅうり 1/2本
板海苔(全型) 2と1/3枚
�� 酢
  だし汁
  しょうゆ 大さじ1
大さじ1
小さじ1



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●作り方
① 板海苔はぬるま湯に浸けて戻し、ざるに取り、自然に水気をきる。
② ボウルに海苔とAを入れ、よく混ぜて海苔酢を作る。
③ きゅうりは小口に切り、塩少々を振ってしんなりさせ、水気を絞る。
④ きゅうりとアサリをよく混ぜ、器に盛り、海苔酢をかける。

 
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更年期障害による高血圧の治療法

更年期障害の際の高血圧の治療については、一般的な高血圧の治療とは少し違っています。一般的な薬を用いた高血圧の治療では、カルシウム拮抗薬を使用して血圧を下げるという治療が行われます。



しかし、更年期障害が原因である場合に高血圧の治療としてカルシウム拮抗薬を摂取すると、副作用が現れるとされています。その副作用は頭痛が一般的に多いです。



ですから、更年期障害が原因で高血圧になっているという場合には、通常の治療薬であるカルシウム拮抗薬は使用しません。



更年期障害による高血圧の薬物治療では、抗うつ剤やホルモン薬などを摂取することになります。更年期障害によって起きている更年期障害とは言っても、高血圧には違いがありませんから、食事を改善させたり生活習慣を見直すことも大切です。



更年期障害だけでもつらい症状が他にも沢山ありますが、高血圧は放っておけば脳卒中や血管系の病気を引き起こす原因にもつながりますから、どちらの症状が出ても早めに治療をするようにしましょう。


肺高血圧症ってどんな病気

よく聞く高血圧と同じ成人病の一種かと思われがちですが、実は呼吸器疾患の一種。

この病気は最終的には臓器移植をする以外に完治する治療法のない難病なのです。
ですから公的認定を受けていますし、症状やレベルにもよりますが、殆どの患者さんは、障害者としての支援を受ける事が可能です。

発症すると、従来通りの就労や就学は勿論、一般的な日常生活も難しくなるそうです。
日本での患者数は、まだ1,000人程度と言われていますから、1億を超える国民数から見ると、ごくごく希な病気と言えます。

難病指定を受ける場合も

検査を受けると大抵の人は、肺気腫や肺線維症などと診断されるそうです。

肺気腫や肺線維症は、喫煙が大きな要因になっている疾病のため患者数が多いのです。

他に呼吸器疾患としては、エコノミー症候群に代表される肺不全があります。

実際に肺高血圧症であると診断される事は希だそうです。

私は友達の子供がこの病気にかかって、初めて知りました。

この病気は成人病どころか、小児難病の一つにも指定されている疾病なのです。


信じられないかも知れませんが、生まれて間もなく見舞われる赤ちゃんもいるそうです。

アラサーからアラフォーに向かう世代の女性や還暦を過ぎたおじいちゃんが発症する事もあるそうです。

つまり患者数そのものは少ないものの、老若男女を問わず、ある日突然のように襲われる病気なんです。

体の仕組みとしては、心臓の左部分にある左心室から送り出された血液を心臓の右側にある右心室で一旦回収し、そこから肺に送って、洗浄するようになっています。

その心臓から肺に血液を送る血管を肺動脈といい、この肺動脈の末梢の小動脈の内側が狭くなったために高潔亜鬱状態になるのがこの病気です。

そして心臓にもたらす影響、これが実に恐ろしいと言われているようです。

何故なら、心臓の特に右側部分の部屋、右心室は、それほど高い圧力には耐えられないため、症状が続くと、心不全を発症するからです。

そのため、薬などを使って、肺動脈の内側をなるべく広げるようにする必要がある訳ですが、そうした薬物治療はあくまでも一時的な処置に過ぎません。

ですから不治の病とされていて、常時健康管理しながら治療を続けなければならないのです。

肺血栓塞栓症などの肺血管の病気や心臓奇形などの先天性心疾患が引き金になっている事もありますが、膠原病などの難病が招く難病でもあります。

そして何より、こうした具体的な原因が存在しないまま、突如発症する肺動脈性肺高血圧症というものもあるそうです。


肺高血圧によって発症する肺性心

肺性心は右心室が拡張し肥厚化する病気で、やがて心不全を起こします。

肺性心が起こる原因は肺高血圧症だけです。肺高血圧症は肺動脈を徐々に厚くして、やがて血管の通り道を狭くします。いったん肺高血圧症が発症すると、肺の機能低下を補うために右心室にかかる負担が大きくなり、そのために右心室は拡張し肥厚化します。これらの変化によって、右心室不全が起こります(普通、心不全は左心室に問題があって起こります)。右心室が拡張すると血液が右心室や脚にたまりやすくなるため、肺塞栓症が生じるリスクが高くなります。たまった血液によってかたまりが形成され、それらがいずれは運ばれて肺の内部にとどまり、最悪の結果を引き起こします。

肺性心はかなり進行するまで、無症状であることがほとんどです。症状は肺高血圧症と同じです。つまり、激しい運動をした際の息切れ、めまい、疲労感、胸痛です。脚の浮腫や段階的に悪化する息切れなど、心不全の症状がみられます。

肺性心の診断に役立つ検査はさまざまですが、まず診察所見から肺性心を疑うことが多いです。右心室の拡張で起こる特徴的な心音が聴診器で聞こえます。胸部X線検査では拡張した右心室や肺動脈が認められます。左心室、右心室の機能は、心臓超音波検査(心エコー)、放射性物質を用いた検査、心臓カテーテル法などで調べます。

治療は普通、原因となった肺疾患に対して行われます。右心室不全を改善するための治療も行われます。肺性心の患者は肺塞栓症を起こすリスクが高くなるため、抗凝固薬の長期間の服用が指示されることがあります。.



血圧の上がる仕組み

血圧を決めている要素の中で最も重要なのが心臓が1分間に送り出す血液の量と血液の流れに逆らう血管の抵抗です。

血液を素早く送り出すには、強い力が必要になります。

すると当然血管にかかる圧力が高くなるのです。

そして、血管の抵抗が大きければ大きい程血液を送り出す力が必要になるので、より血圧を上昇させる原因になります。

主に血管の抵抗は血管の弾力と血管の広さが関係しているのですが、その中でも血圧上昇に影響しているのが、細い血管である末端血管の抵抗なのです。

この要素が重なる事で血圧は上がるようになっているのです。

ですが、血圧が上昇しっぱなしだと誰でも高血圧になってしまうので、いくつかの血圧を調節させる働きが働きます。

まず一つに交感神経という神経によって血流がコントロールされているので血圧を抑制させる方法があります。血圧は血液の流れで変化するものなので、血液の流れを交感神経が脳から指令を受けて抑制するようになっているのです。

もう一つは体内物質による影響で血圧を変動させる方法です。体内では常に血圧を上昇させたり、下降させたりさせる物質を作り続けています。

ですので、このバランスが崩れてしまうと高血圧になってしまう可能性が上がってしまうのです。



高血圧ガイドライン 1 降圧目標・血圧の分類

降圧目標降圧目標は、年齢や合併症の有無により異なります。
従来ガイドラインでは、高齢者、若年・中年者、糖尿病患者・腎障害患者の3つのグループに対する降圧目標が掲げられていましたが、今回の改訂で心筋梗塞後患者と脳血管障害患者に対する降圧目標が追加された。   
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  血圧の分類について
血圧の分類においては、従来の軽症、中等症、重度の呼び方からI度、II度、III度に改訂されました。
収縮期血圧と拡張期血圧が異なる分類に属する場合は高い方に分類します。

   img_topics01_02.gif診察室血圧と家庭血圧

   







高血圧の薬(降圧薬)の種類:利尿薬

■高血圧の薬物療法(降圧薬):利尿薬
古くからよく使われていて、他の降圧薬と合わせて服用することが多い薬です。尿に塩分(ナトリウム)を排出する腎臓の働きを促して血圧を下げる効果のある薬です。服用量を増やしても効果は変わらず副作用が増えるだけとされています。
○可能性のある副作用:脱水、不整脈や手足の痺れ(低カリウム血症)、耐糖能悪化(糖尿病)、尿酸値上昇(痛風) など
○使用してはいけない人:痛風


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高血圧の薬(降圧薬)の種類:カルシウム拮抗薬

心臓や血管が収縮する時に細胞内に流入するカルシウムイオンを抑え、血管を拡張させることで血圧を下げる効果のある薬です。

収縮期血圧の高い高齢者や、糖尿病・狭心症・脳出血・動脈硬化などを合併している高血圧患者の降圧治療薬に向いているとされています。

○可能性のある副作用:動悸、顔のほてり、足のむくみ、便秘、尿量増加など
○使用してはいけない人:うっ血性心不全に使えないタイプの薬があります。


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高血圧の薬(降圧薬)の種類:ARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)

血管を収縮させて血圧を高くするアンジオテンシンⅡという物質の作用を抑えて、血圧を下げる効果を持つ薬で、安定した効果が期待できるとされています。作用はACE阻害薬に似ていますが、副作用の咳が起こりにくいのが異なる特徴です。血圧を下げる効果のほかに心臓や腎臓を保護作用も期待されています。

○可能性のある副作用:軽い動悸・眩暈(めまい)など
○使用してはいけない人:妊娠中または妊娠の可能性のある女性、高カリウム血症を合併する高血圧患者


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高血圧の薬(降圧薬)の種類:ACE阻害薬(アンジオテンシン変換酵素阻害薬)

血管を収縮させて血圧を高くするアンジオテンシンⅡという物質の作用を抑えて、血圧を下げる効果を持つ薬です。作用はARBに似ています。
血圧を下げる効果のほかに心臓や腎臓を保護作用も期待されています。

○可能性のある副作用:喉のイガイガ感、空咳、むくみなど
○使用してはいけない人:妊娠中または妊娠の可能性のある女性、高カリウム血症を合併する高血圧患者


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高血圧の薬(降圧薬)の種類:β遮断薬

心臓のβ受容体に働きかけて心拍出量を抑えたり血管の収縮を弱める作用を持つ薬です。

脈拍数が多い人、狭心症など心臓に異常がある人、若年の高血圧患者に向いているとされる降圧薬です。

○可能性のある副作用:徐脈、手足の冷え、息切れなど
○使用してはいけない人:気管支喘息


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高血圧の薬(降圧薬)の種類:α遮断薬

他の降圧薬と合わせて服用することが多い薬です。血管の収縮させる交感神経の働きを抑えて、血圧を下げる薬です。コレステロール値が高い人に向いているとされる降圧薬です。

○可能性のある副作用:立ちくらみ、めまい
○使用してはいけない人:起立性低血圧や立ちくらみをよくおこす人


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一時的に血圧を下げる方法

血圧を下げるには、食事や運動、生活習慣の改善などの方法を継続することが必要ですが、一時的に血圧を下げる方法もあります。

一つは降圧剤を使う方法です。降圧剤を使用することで、心臓からの血液量を減らしたり、血管を広げ、一時的に血圧を下げます。また、一時的に血圧を下げるツボを押す方法もあります。

血圧を下げるには、食生活の改善や運動、生活習慣の改善によって、血圧が上がらない体になることが大切です。

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一時的に血圧を下げる方法:降圧剤

一時的に血圧を下げる方法として、降圧剤があります。

降圧剤には、心臓が1度に送り出す血液量を減らすβ遮断薬があります。

また、抹しょう血管を拡張させることで、血圧を下げる薬もあります。

血管を収縮させ、血圧を上げる「アンジオテンシンII」の作用を妨げ、血圧を下げる薬が、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)、アンジオテンシンIIの産生を抑えるアンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)、血圧の上昇の原因となる、カルシウムの流入を抑えて、血管を拡張させるカルシウム拮抗薬、などが一時的に血圧を下げる薬です。

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一時的に血圧を下げる方法:ツボ

一時的に血圧を下げる方法に、ツボ押しがあります。

血圧を下げるツボとして、「風池(ふうち)」や「足三里(あしさんり)」といったツボがありますが、一時的に血圧を下げるツボに、「人迎(じんげい)」があります。

人迎はのどぼとけの両脇の脈拍を感じるあたりにあるツボです。人迎はのどがイガイガするなどの不快感を取り除いたり、血液循環をよくすると言われているツボで、主に、気管支炎や喘息、甲状腺などの改善に用いるツボですが、一時的に血圧を下げる方法としても、用いられることがあります。

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高血圧の食事療法

高血圧症の治療はまず食事療法がメインとなります。

食事療法のポイント1:食塩の摂取量を減らす
食塩の摂りすぎは高血圧の大きな要因ですので、塩分を控えることは血圧を低くするために非常に大切なことです。日本人の平均的な1日あたりの食塩摂取量は11から12gぐらいです。しかし、これよりやや少な目の1日10g以下を目標とすることが推奨されています。

高血圧症と診断されている方は、 1日に5から6gに抑えることが高血圧の食事療法として大切です。


食事療法のポイント2:脂肪の摂取量を減らす
脂肪の摂りすぎは、血管にコレステロールを沈着させ、血圧を上げる原因となります。

食事方法のポイントとしては、脂肪の摂取は1日に40g (=約360kcal)以内に抑えましょう。

脂肪の摂りすぎは肥満・高脂血症・糖尿病というほかの生活習慣病にもつながります。しかも、 これらの症状が併発していると、薬物療法の降圧剤の効き目が悪くなったり、使えない降圧剤があったりして、治療がより難しくなります。


食事療法のポイント3:飲酒・喫煙を控える
他の生活習慣病と同じく、アルコールやタバコを控えることも高血圧の食事療法で大事なことです。 タバコは血管を急激に収縮し、細くしてしまいます。 喫煙習慣のある人はない人に比べて虚血性心疾患になる危険率が高いという報告もあります。

少量のアルコールなら血管を拡張し、血圧を下げる効果もありますが、過度のアルコールは高血圧の原因です。

アルコールを控えることも食事療法の1つです。

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高血圧と頭痛症状

高血圧と頭痛などの症状は密接な関係があるかのように思われていますが、高血圧は無症状で、特に頭痛や目まい、耳鳴りなどの症状を引き起こす訳ではありません。

しかし合併症として非常に怖ろしい病気を発症してしまうので、放置しておくことは危険です。

高血圧によって血管が硬くなり動脈硬化を引き起こします。

この動脈硬化が脳の動脈で起きると脳梗塞になります。

また血管が破裂することによって、脳出血を起こすことにもなります。

このような動脈硬化が心臓で起きれば、心筋梗塞や狭心症になりますし、腎臓で起きれば、腎臓が機能障害を起こします。

高血圧で最も注意を要するのは,合併症ということです。

高血圧が頭痛などの症状の直接原因ではありませんが、高血圧の人がひどい頭痛を感じたりするようになると、脳で何らかの合併症が発症したことを疑うかも知れません。


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早朝高血圧とは

血圧は、一日のなかで上がったり下がったりを繰り返しています。
通常、血圧は朝が高めで、夜寝ている間は低くなっています。

高血圧のなかでも特に早朝の上がり方が著しく、朝の最高血圧と夜の最高血圧を足して割った平均値が135以上、かつ、その差が15~20以上であれば早朝高血圧と言ってもよいでしょう。

また、早朝高血圧の中でも、朝目が覚めると同時に血圧があがる人と、夜血圧が下がらないままの人がいます。
年齢を重ねると共に、夜の間に血圧が下がらないという事がふえ、脳血管系の疾患等になる確立が増加していきます。

朝、血圧が上がる理由としては、脳下垂体が副腎皮質ホルモンを分泌させていることにあります。その結果、血管が収縮され、血圧をあげるのです。

そして、もう一つは、朝目を覚ます事で、交感神経が働き始め、アドレナリンが分泌されます。
そして血圧上昇し、血管の収縮により血液が流れにくくなったり、血液が固まりやすくなったりします。

本来は体内時計により、目を覚ます為であったり大脳の活動であったりして、血圧があがるのですが早朝高血圧の人だと、その結果が脳や心臓に負担をかけるものとなりかねないのです。


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高血圧予防によい食べ物:牛乳

牛乳に含まれているタンパク質の中の含流アミノ酸が、交感神経を刺激し、血圧を下げる効果をもっています。

牛乳は血圧を安定させ、動脈硬化を防ぐ働きをします。
 
若い時から飲み続けていると長生きできるといわれています。

成長期の子供だったら400ミリリットル、普通の大人なら200ミリリットルめどに飲むといいでしょう。


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高血圧予防によい食べ物:トマト

トマトには、ビタミンCとPも含まれています。

毛細血管を強くするビタミンCと、血管の透過性を抑え、毛細血管からの出血を防止するビタミンPとが、毛細血管を強くし保護します。

トマトを常食することによって、血管を強化し、高血圧を予防することができるのです。


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高血圧予防によい食べ物:大根

大根は皮ごと食べるのがいいのは、皮にビタミンPやカルシウムが多量に含まれているからです。

ビタミンPは、毛細血管を強くする力を持っているので、高血圧の予防をしてくれます。


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高血圧予防によい食べ物:納豆

納豆は、食塩を加えておらず、食べる時も少量なので、高血圧の人には良い食品です。

またコレステロールもほとんど含んでおらず、リノール酸が体内のコレステロールを低下させ、ビタミンEが脳血管障害や心筋梗塞の原因になるアテローム性粥状動脈硬化症に対して有効に働きます。
 
納豆はバランスの良いタンパク質とビタミン類、リノール酸を多く含んだ健康食品です。


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高血圧予防によい食べ物:柿

ビタミンCが不足すると、血管が弱くなり高血圧などの成人病にかかりやすくなります。また身体の抵抗が弱くなり、カゼなどの病気にかかりやすい状態にもなります。

 対処法として、柿の葉をお茶にして柿茶として飲むと良いでしょう。 また、柿の渋にも高血圧、中風などを治す働きがあります。

この渋が血管の透過性を高めて、血圧を下げるという効果を持ちます。柿渋さかずき一杯を大根おろしと混ぜ、1日3回空腹時にのむようにします。


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高血圧予防によい食べ物:夏みかん

夏みかんに含まれているビタミンCは、血管の抵抗力を強め、血管を構成している細胞と細胞の結合組織を丈夫にする働きがあります。

 また夏みかんには、ヘスペリジンというビタミンPが多く含まれ、これは血液が毛細血管から漏れ去るのを防いだり、またビタミンCが酸化されて無効になるのを防いだりします。

 ヘスペリジンは水溶性ですが、夏みかんは生で取ることができ損失もなく効率がよいので、高血圧の人を始め、動脈硬化の心配のある中高年の人にとって最適の食べ物と言えます。



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高血圧予防によい食べ物:ワカメ レモン

高血圧を防ぐワカメ
ワカメにはアルギン酸が含まれており、ナトリウムを排泄する作用があり、高血圧を防ぎます。
高血圧の原因ともなりかねないミソ汁には塩分が多く含まれているので、ミソ汁にワカメは合理的といえます。


高血圧を予防するレモン
レモンに含まれているクエン酸の作用で老廃物を排泄し、血液を新しくして高血圧を防ぎます。またクエン酸の酸味は減塩効果があり、レモンの汁をかけて食べると塩やしょう油も少なくてすみ、塩分のとりすぎを防いでくれます

高血圧予防によい食べ物:りんご

りんごの成分は主に果糖とブドウ糖ですが、ほかにりんご酸、クエン酸などを含んでおり、ビタミン類はあまりありません。

しかし、無機質のカリウムを多く含んでいることから、ナトリウムの害を防ぐ働きをしてくれます。

 日本人は漬け物やしょうゆなどから、塩分をとりすぎる傾向がありますが、りんごの働きで、塩分のとりすぎをおさえて、高血圧予防に効果を与えてくれます。


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高血圧予防によい食べ物:蕎麦(そば)

蕎麦(そば)は、めん類のなかでも、とても栄養価にすぐれた食品で、とくに、そば特有のポリフェノールであるルチンに高血圧を改善する効能があります。

ルチンはビタミンCの働きを助け、血管を強化して血圧を下げ、動脈硬化や脳血管障害などを予防してくれます。また、血圧を上昇させる酵素の働きを弱める作用もあります。

このルチンを、日本そばの約100倍も含んでいるのが「だったんそば」です。これは、中国の内モンゴル付近にある韃靼地方という山岳地帯で栽培されている蕎麦(そば)で、韃靼地方の少数民族には高血圧や脳血管障害の患者が極端に少ないことが知られています。

蕎麦(そば)には、たんばく質が豊富に含まれており、なかでもレジスタントプロテインという消化・吸収されにくい成分が注目されています。体内の余分なコレステロールやブドウ糖と結びついて排出を促進し、血液をサラサラにする効果があります。

ルチンを手軽に摂取できる、だったんそば茶もあります。また、ルチンは脂肪分と一緒にとると吸収がよくなります。

余分な脂肪分は、レジスタントプロテインが体外への排出を促してくれます。

       
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高血圧と類似した糖尿病

糖尿病が原因で高血圧になる場合があります。これは糖尿病にかかると体液や血液が増え、結果血圧が上昇します。
糖尿病患者の50%が高血圧である結果が報告されています。糖尿病患者は高血圧になりやすいということです。

高血圧も糖尿病も、初期の自覚症状はなく、わからないままに進行します。いずれも早期発見が大切ですから、定期的な検診が重要になります。

糖尿病と高血圧の共通点で肥満があります。高血圧の場合も、糖尿尿の場合も肥満は大敵とされ、食事療法や運動療法で改善をします。
糖尿病に多い2型糖尿病は、過食や運動不足が原因とされ、肥満が引き起こす疾患です。
高血圧も肥満が原因で血管を収縮させ、結果、高血圧になります。

また塩分の制限もどちらの疾患にも共通することです。高血圧は塩分摂取が多いことで、血圧を上昇させるように、糖尿病でも塩分の取りすぎは、腎臓の機能を低下させます。

糖尿病のほとんどの方は、すい臓から分泌されるインスリンというホルモンの、効き方が悪くなる高インスリン血症の方は、交感神経が刺激されやすく、血圧上昇を招きます。

これらの共通点を持った、高血圧も糖尿病も、更に悪化したときの合併症を誘発します。また糖尿病の方が高血圧であることは珍しくありませんので、合併症師は十分な注意が必要です。
合併症である心筋梗塞や腎障害のリスクは、健常な方よりずっと高く、合併症の進行速度は加速します。

高血圧も糖尿病も、完治が難しい病気であっても、これらの進行を遅らせることや、合併症にならないように、コントロールすることができます。
これは生活習慣の改善が重要で、これを積極的に行うことで改善が診られます。


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高血圧と肥満の関係

 肥満になるとなぜ高血圧になるのでしょうか。肥満になると、内蔵に脂肪が蓄積されてきます。内蔵脂肪が増加すると交感神経系の活動を活発化させる物質が分泌されます。交感神経の働きで血糖値や中性脂肪が上昇し、徐々に血圧が上り、やがて高血圧につながります。

 高血圧の原因になる肥満の判定基準としてBMIと呼ばれる体格指数がよく使用されています。BMI値は25以上が肥満となり、20~24にBMI値を抑えることが目標とされています。肥満を改善することによって血圧は降下します。肥満の人が減量できれば、体重の減少にともなって必ず血圧も下がってきます。ただし、急激なダイエットは体を壊しますので、あわてずに日数をかけてゆっくりと減量するようにしてください。

 肥満には運動療法が有効です。そして運動療法は有酸素運動を中心にするのが効果的です。運動は一度に何時間も連続して行うと膝や足首を痛めたり、つらい運動を続ける意欲が無くなってしまいます。ですから、毎日30分程度の運動を継続した方がより効果的です。普段より血圧が高い場合には、運動によって頭痛などの症状が現れることがあります。このようなときには運動を中止して主治医に相談してください。

 肥満は高血圧の原因となるばかりか、いろいろな生活習慣病の原因にもなります。健康を維持するためにBMI値を適正範囲に維持して肥満を防止するように気をつけましょう。



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高血圧とストレスの影響

高血圧症にとってストレスは大敵と言われています。イライラすると身体が熱くなり、血圧も急激に上がります。

睡眠も十分とって、疲労感やストレスを日まで持ち越さないことが大事です。

アロマを炊いたり、部屋を薄暗くして好きな音楽を聴くのも良いですし、気心の知れた友人と電話で他愛のないおしゃべりを手芸や何かを作ることもストレスを開放するのに役立ちます。喫煙は高血圧のみならず生活椎看病などすべての病気を悪化させます。

喫煙をすると血管も収縮してストレスがかかり、血管を傷つけ、ビタミンCを浪費し抵抗力を下げて病気に老化を早めます。お風呂もぬるめのお湯に浸かって疲れを取りリラックスした状態で睡眠に入るのが理想的です。



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高血圧と喫煙の関係

喫煙は高血圧だけではなく動脈硬化などの生活習慣病のリスクを高めます。

タバコのニコチンや一酸化炭素は血管を収縮させる作用があるため、タバコを1本吸うと血圧が10mmHg上昇します。

喫煙による血圧上昇は30分間続きます。つまり1時間おきにタバコを吸うと、その度に血圧が10mmHg高くなることになります。特に悪影響が大きいのは朝の「起き抜けの1本」で、血圧が30~50mmHgも上昇させてしまうのです。

喫煙は高血圧以外にも狭心症、心筋梗塞、脳梗塞などのリスクを増加させることが明らかになっており、あらゆる疾病の危険性が喫煙により増大します。喫煙は健康にとって何一つ良いことがないのです。タバコの本数を減らすだけでは不十分で、完全に喫煙を止めることが必要です。

喫煙がニコチンの習慣作用による1種の病気であると考えて、禁煙外来などを受診すると、内服薬または禁煙パッチという貼付薬を処方してもらえます。このような禁煙補助薬により禁煙の成功率が向上しています。

喫煙は高血圧を悪化させるだけでなく、動脈硬化、心筋梗塞などの危険性も増大させます。



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高血圧と加齢の関係

高血圧の持病のない人も誰でも加齢によって血圧が上昇する傾向にあります。

日本人では65歳以上の人口のうち60%が高血圧であるというデータもあります。

加齢による高血圧の症状は上の血圧が上がり、下の血圧が下がる場合が多いようです。

加齢による高血圧では、血圧の上下差が大きくなるので、動脈硬化を促進して血管の病気になりやすくなります。

 加齢による高血圧を治療する場合には、65歳以上の前期高齢、75歳以上の中期高齢、85歳以上の後期高齢の3グループに分けて、血圧を下げる目標値を設定します。

前期高齢では140/90が血圧の目標になります。後期高齢では同様に140/90を目標としますが、150/90を暫定目標として、ゆるやかに血圧を下げることを目指します。

高齢の方は急に血圧が下がると、めまいや立ちくらみの副作用が発生するので、3~6ヶ月の期間をかけてゆっくりと血圧を下げるのです。

 高齢の高血圧患者でも、減塩、運動、禁煙などの生活習慣の改善は重要ですが、高齢者の場合には生活の質を考慮して、あまり厳しい制限を要求することは得策ではありません。



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高血圧と脳出血の関係

 脳出血の原因は高血圧である場合が一番多いようです。

高血圧性脳出血と言われる高血圧により発症する脳出血の割合は脳出血全体の70%にも達します。

高血圧により脳の血管が動脈硬化を起します。動脈硬化を起した血管に更に高い血圧が加わると、血管の内壁が傷ついて血管の組織を壊死させてしまいます。血管が壊死した部分には動脈瘤が発生し、やがてこの動脈瘤が破裂して脳出血を起してしまいます。

 脳出血の発作は、吐き気、嘔吐から始まり、左右どちらかの手足が麻痺します。大脳の右側に出血が発生した場合には、体の左側に麻痺が現れます。

逆に大脳の左側で出血した場合には体の右側に症状が出るとともに、言語障害が発生する場合もあります。つまり、出血の部位と発生する障害には対応関係があります。

脳の中心部にまで出血の範囲が広がった重症の場合には、意識障害が発生して昏睡状態に陥ります。このような重症の場合には突然いびきをかいて昏睡してしまうので注意が必要です。

 高血圧性脳出血の発作が発生する前に、脳動脈瘤の発生を見つけて動脈瘤の破裂前に危険性を予見することは、脳動脈瘤が微小であるために困難です。

発作が発生した後に、どうような出血がどこで発生しているかを検査することしかできません。しかも発作が起こってしまってからでは治療により完治することは無理ですので、治療の目的は救命、生命の維持、症状の緩和になります。



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